2009年7月1日10時54分
【ワシントン=村山祐介】米政府は30日、北朝鮮による核兵器やミサイルの関連物資の拡散に関与しているとして、在イラン企業など2社を金融制裁の対象に追加指定したと発表した。核実験後も挑発的な姿勢を続ける北朝鮮に資金面で圧力を加える狙いだが、反発を強める北朝鮮との緊張が高まる可能性がある。
新たに制裁対象に指定したのは、イラン南部に拠点を置く「香港エレクトロニクス」と、北朝鮮・平壌にある「南川江貿易会社」。米国内の資産を凍結し、米国民との取引も禁止する。対象となる資産規模については明らかにしていない。
米財務省によると、「香港社」は07年以降、米国の独自制裁の対象で国連安全保障理事会も4月に制裁対象にした「朝鮮鉱業開発貿易会社」と「端川商業銀行」に代わって、イランから北朝鮮への数百万ドルの資金移転を支援。「南川江社」は90年代以降、ウラン濃縮設備に使うアルミニウム管の調達などを手がけたという。
リービー財務次官は声明で、「北朝鮮は香港社のようなフロント企業を使って金融取引の実態を隠し、合法な取引と違法な取引を区別できなくしている」と非難。「金融システムの悪用を防ぐ取り組みの一部だ」と述べ、さらなる制裁の可能性も示唆した。
米財務省は05年、北朝鮮の資金洗浄に関与した疑いでマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)に金融制裁を発動。預金凍結や金融機関の取引自粛で、北朝鮮は甚大な影響を受けたとされる。BDA向けは07年に解除したが、端川商業銀など大量破壊兵器拡散への関与を認定した企業への制裁は続けている。