【カイロ=北川学】ムルシ大統領の辞任を求めるデモが続くエジプトで3日夕(日本時間同日深夜)、48時間以内の政治合意を求めた軍の期限を迎えた。ムルシ氏は辞任の意思がないことを重ねて表明し、軍の要求を拒んでいるのに対し、軍は全権掌握につながる構えを見せている。
ムルシ大統領に関する記事英BBCは3日夕、軍がムルシ氏を自宅軟禁したと報じた。衛星放送アルアラビアは、与党・自由公正党の報道官の話として「クーデターが進行中だ。通りに戦車が出ている」と伝えた。
ムルシ氏は期限切れ直後の3日夕、野党勢力などが参加する連立内閣の設置を呼びかける声明を出した。反政権派に改めて対話を求めた形だが、事態の収拾につながるかは予断を許さない。カイロ市内では同日夕、反政権派、大統領派がそれぞれ大規模なデモを続けた。
3日付政府系アハラム紙によると、軍はイスラム系のムルシ政権が主導して制定した新憲法を停止し、諮問議会(上院)を解散。各政治勢力や専門家による暫定評議会を立ち上げて数カ月かけて憲法を改正し、そのうえで早期の大統領選を実施するとのロードマップ(行程表)案を練っているとされる。
軍は1日、大統領と反政権派に対して事態収拾に向け、対話に入るよう要求。3日夕までに合意に至らなければ、政治介入に踏み切る意向を示していた。
ムルシ氏がテレビ演説で軍の要求を拒否すると表明した直後の3日未明、軍は「テロリストや愚か者から国家と国民を守るため、命を捧げる覚悟がある」との声明を発表した。治安出動の可能性を示唆したものと受け止められており、情勢は緊迫度を増している。AFP通信などによると、軍高官らは期限を前に緊急会議に入った。ロードマップ案の詳細や今後の対応について検討した模様だ。
一方、ロイター通信によると、反政権派を代表するエルバラダイ前国際原子力機関事務局長が3日、軍最高評議会のシーシ議長(国防相)と会談した。会談内容は不明だが、反政権派と大統領派の衝突を食い止めるため、軍の介入を求めたとみられる。
ムルシ政権与党・自由公正党幹部のベルタギ氏は同日、反政権派に向けて対話に応じるよう求める声明を発表。危機回避に向けたギリギリの努力も続いている。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部