2009年7月5日10時21分
【ソウル=牧野愛博】北朝鮮は4日、計7発の弾道ミサイルを日本海に向けて断続的に発射したことで、国際社会の圧力に対抗する姿勢を示した。日米韓が主導する制裁の流れに大きな影響はない見通しだが、関係国の懸念は深い。中距離弾道ミサイル「ノドン」も飛距離を抑えて発射された可能性が強く、日本にとっては大きな脅威だ。
発射されたのは短距離の「スカッドC」(射程約500キロ)と、飛距離を抑えた中距離の「ノドン」(同1300キロ)の可能性が高い。
韓国外交通商省は4日、報道官論評で「国連決議に明白に違反する挑発行為だ」と批判。日本政府も外交ルートを通じ北朝鮮に抗議した。
ノドンは、朝鮮半島有事の際、在日米軍による増援や日本の後方支援を遮断する目的で開発されたとされる。今のところ核兵器をノドンに搭載する能力はないとみられるが、日本国内で発射への批判が強まるのは必至だ。
北朝鮮は6月、核実験を受けた国連安全保障理事会の制裁決議を糾弾する市民集会を各地で開いたほか、制裁強化で一致した米韓、日韓の両首脳会談も強く批判。「侵略者の制裁には報復、対決には全面対決で断固対応する」(労働新聞)と反発してきた。
弾道ミサイルを発射しないよう求めた制裁決議を無視し、米独立記念日(4日)にあわせて7発も発射したことで、圧力に屈しない姿勢を行動で示し、軍を中心に国内の結束を図る狙いがあるとみられる。安保理の制裁委員会は12日までに資産凍結の対象となる個人・団体などの指定・追加作業を行うため、さらに挑発に出る可能性もある。
西部の東倉里(トンチャンリ)、東北部の舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地では、長距離弾道ミサイルの発射準備と受け取れる動きがあるほか、3回目の核実験の可能性も指摘される。ただ、そうなれば米中両国が強く反発し、対話の機運がさらに遠ざかるのは確実だ。このため「北朝鮮も打つ手は限られている」とみる専門家もいる。