【ソウル=中野晃】戦時中、日本の軍需工場に動員された韓国人の元徴用工4人が新日鉄住金を相手に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審の判決が10日、ソウル高裁であった。同高裁は元徴用工の個人請求権を認め、原告らの請求通り1人あたり1億ウォン(約890万円)を支払うよう同社に命じた。請求権を巡る問題が今後、日韓の懸案になる可能性がある。
原告の一部は日本でも訴訟を起こしたが、1965年の日韓請求権協定で個人の請求権は消滅し、行使できなくなったとの判断が最高裁で確定している。だが韓国での訴訟では昨年5月、大法院(最高裁)が「個人請求権は消えていない」との判断を示して原告敗訴の判決を破棄し、審理を高裁に差し戻していた。
大法院判決後、韓国では、新日鉄住金や三菱重工業、不二越(富山市)と、戦時中に動員された日本企業に賠償を求める集団訴訟の提訴が4件続いた。この日の高裁判決が個人請求権を改めて認め、賠償を初めて命じたことで、日本企業を相手取った訴訟がさらに相次ぐ可能性がある。
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朝日新聞国際報道部