【ロンドン=伊東和貴】日本政府が、欧州連合(EU)からの脱退論が高まる英国に対し、EUを離脱すれば13万人に上る英国内の日本企業関連の雇用に影響が及びかねないことを示唆する文書を送り、EU残留を促したことが分かった。
英政府がEUとの関係見直しを巡って外国政府に意見を照会。日本は15日付文書で「わが国はこれまで以上にEUとの関係強化に注力している。英国がEUで引き続き強い発言力を維持し、大きな役割を果たしていくことを期待する」と表明。英国で1300社以上の日本企業が13万人の雇用を創出したのは「欧州市場への入り口としての魅力」があるからだと指摘した。
英国には日産、トヨタなどが進出し、欧州市場への足場としてきた。また、EUとの経済連携協定(EPA)締結をめざす日本にとって英国は「自由貿易を推進する頼れるパートナー」(今回の文書)。EU脱退は投資や雇用を冷え込ませかねず、英国の利益にならないとクギを刺した形だ。
ユーロに参加しない英国では、欧州危機をきっかけにEU脱退か否かで世論が二分されている。キャメロン首相は1月、2015年の次期総選挙で政権続投が決まれば、EU加盟の賛否を問う国民投票を17年末までに実施すると表明した。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部