【北京=林望】日本の着物デザイナーの冨田伸明さんが27日、北京の日本大使館で自作の着物による着付けの実演を行い、約150人の北京市民で埋まった会場は歓声と拍手に包まれた。日中関係が冷え込む中、「文化に国境はない」と、冨田さんの言葉にも力がこもった。
冨田さんは、立山連峰を鮮やかに描いた帯などの力作を持ち込み、着物の背景にある日本の文化や自然、人々の暮らしなどを解説。繊細で華やかな作品が披露されるたびに、会場はうっとりするようなため息や拍手に包まれた。
女優の檀れいさんが実際に着たという着物を着付けてもらった高校教師の程静さんは「ゴージャス。ちょっと重いけど、幸せです」と満面の笑みだった。
冨田さんは、尖閣諸島を巡る対立で日中の緊張が高まった昨年以来、大連や上海でも着物の着付けの実演を開いてきた。「日本文化に関心を持ってくれる人たちに、感謝を伝えたい。僕にできるのは本物の日本を伝えること」と、政治の壁を越えた交流への意気込みを話した。
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朝日新聞国際報道部