アサド政権軍と反体制派による戦闘が続くシリア北部アレッポで9月28日から30日にかけて、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているスーク(市場)で火災が発生し、1500以上ある店舗の大半が焼失した。ロイター通信などが伝えた。
火災の原因ははっきりしないが、地元活動家は、軍が焼夷(しょうい)弾を使用したと非難。激しい戦闘で消火活動が進まなかったとしている。ユネスコは、シリア内戦により国内に6カ所ある世界遺産のうち5カ所が損傷したとみている。
このスークは古くから東西貿易の中継地として栄えた世界遺産「古代都市アレッポ」の一部で、中東屈指の規模と歴史を誇る。木彫りの装飾が美しい建物と、石畳に石造りのアーケードが特徴。迷路のように入り組んだ路地に、香辛料や土産物を売る店が軒を連ねていた。日本でも女性に人気のアレッポ特産オリーブせっけんを山積みにした専門店も多い。内戦により、中心部にあるアレッポ城も門や壁が損傷したという。
シリアでは内戦による死者数が3万人に上り、レバノンやヨルダンなど周辺諸国への難民も約30万人にまで増加している。(カイロ=山尾有紀恵)