【ジャカルタ=矢野英基】ポルノが禁じられているインドネシアで、日本のアダルトビデオ(AV)女優をコメディー映画に出演させる計画が持ち上がり、波紋が広がっている。イスラム教団体は「有害だ」として抗議デモなどで入国反対の姿勢を強め、政府は冷静な対応を求めている。
ジャカルタの映画制作会社は先月、AV女優を出演させる計画を発表する記者会見で、撮影のため女優が10月中にもジャカルタを訪れる可能性を示唆した。
台本にポルノシーンはないが、地元報道によると、イスラム教団体の指導者で構成する「イスラム指導者評議会」の幹部は「ポルノ女優としての世評は有害で、道徳的に問題。入国させるべきでない」と反発。9日には強硬派団体「イスラム防衛戦線」などが各地で抗議デモをした。
モハンマド・ヌフ情報通信相は「違法なポルノ活動をしない限り、入国を拒めない」としつつも「反対意見も尊重する」と語った。制作会社幹部のオディ氏は「AV女優はよく知られているので出演を頼んだが、ここまで騒ぎが大きくなるとは思わなかった」と地元テレビに話している。
インドネシアでは昨年、ポルノの動画や写真などを規制する反ポルノ法が成立。その後も日本のAVの海賊版が出回り、イスラム聖職者らは神経をとがらせている。