【ソウル=貝瀬秋彦、北京=香取啓介】今年1月にソウルの日本大使館に向かって火炎瓶を投げ、韓国で服役している中国人の劉強受刑者(38)の身柄を巡り、日中の綱引きが続いている。靖国神社にも放火した疑いがあり、日本側は犯罪人引き渡し条約に基づいて引き渡しを求めているが、中国側も強力に送還を要求。韓国政府は「まだ結論は出ていない」としている。
中国外務省の洪磊・副報道局長は16日の定例会見で引き渡し問題について「高度に重視している。韓国側が公正で妥当な解決をすることを望む」と述べ、中国への送還を求めた。
関係者によると、中国はこれまで外交ルートで「人道主義の観点から」などとして日本に引き渡さないよう働きかけてきたが、会見で言及することで韓国側により圧力をかけた形だ。劉受刑者の刑期満了が、来月8日に迫っていることが背景にあるとみられる。