【ニューヨーク=春日芳晃】国連で北朝鮮の人権問題を担当するマルズキ・ダルスマン特別報告者が2日、国連総会第3委員会(人権)に出席し、金正恩(キムジョンウン)体制になってからの北朝鮮の人権状況について「改善の兆候はない」と報告した。また、日本人拉致問題も「進展はなかった」とし、北朝鮮政府が日本政府に約束した拉致被害者の再調査の早期実施を促した。
ダルスマン氏は北朝鮮では人口の約7割にあたる1600万人が食糧不足で困窮しているにもかかわらず、「金正恩氏が軍事力強化を最優先課題に掲げていることを憂慮している」と批判。さらに2010年に特別報告者に就任以来、北朝鮮政府に入国を拒否されていることも報告し、現地調査の実施に向けて北朝鮮側の協力を要請した。
また、会合では日本の児玉和夫・国連次席大使が「日本人拉致は人権侵害であり、国際社会全体の普遍的かつ重要な問題」と指摘。韓国や欧米諸国からも政治犯に対する非人道的な扱いなど、北朝鮮政府の人権侵害について非難が相次いだ。