【ニューデリー=高野弦】インド政府は、国営企業の株式を順次売却する方針を固めた。国内有力紙は株放出による政府収入が6千億ルピー(約1兆2千億円)にのぼると試算している。インド経済でなお中心的な役割を担う国営企業の効率化を進め、社会保障の財源を確保する狙いだ。
インド政府が発表した基準によると、国営上場企業は政府の株式保有比率の上限を90%とし、90%を超える部分は売却する。対象になるとみられるのは、化学肥料、資源など各業界の大手約10社。一方、非上場の国営企業の場合は、累積損失がなく、3年連続で単年度黒字を計上していれば株式上場させる方針。通信大手BSNLなど約40社が対象になるとみられる。外資がこれら有力企業株を取得するケースも出てきそうだ。
シン政権は過去にも国営企業株の売却方針を打ち出したが、閣外協力を得ていた左翼勢力の反対で軌道にのらなかった。しかし、今年5月の総選挙で与党・国民会議派が圧勝したことを受け、国営企業改革を加速させる方針だ。
政府は相次ぐ景気対策や、総選挙で公約した貧困層対策の実施により、財源不足に直面。そうした財政事情も、国営企業の政府保有株の売却を促している。