【ワシントン=村山祐介、ソウル=箱田哲也】米オバマ政権は、ボズワース北朝鮮政策特別代表を11月下旬から年内をめどに平壌に派遣し、核問題で直接協議する方向で最終調整に入った。日程などの調整がまとまれば、週明けにも発表する。ボズワース氏は5日、ワシントンでの会合に出席後、韓国記者団に、訪朝時期について「年内だ」と答えた。
実現すればオバマ政権で初めての政府高官訪朝となる。米国は、ボズワース氏の訪朝による米朝協議を6者協議の枠内で実施する考えだが、北朝鮮は「米朝協議の結果をみたうえで、6者協議を含む多国間協議に参加する」との姿勢を崩しておらず、6者協議の再開につなげられるかどうかが焦点となる。
ボズワース氏は5日、韓国記者団に対し、訪朝すれば、金正日(キム・ジョンイル)総書記の側近とされる姜錫柱(カン・ソクチュ)第1外務次官との対話を望むと語った。
関係筋によると、米政府は10月末に訪米した北朝鮮外務省の李根(リ・グン)米州局長と米国のソン・キム6者協議担当大使との接触を踏まえ、北朝鮮の要請に応じてボズワース氏を訪朝させる基本方針を確認。ニューヨークにある北朝鮮の国連代表部を通じ、日程調整などの再接触を始めたという。
国務省高官は6日、省内で記者団に対し、米朝協議について、オバマ大統領がアジア歴訪から帰国する前に結論を発表するとの見通しを明らかにした。ボズワース氏が訪朝する場合の時期については、「大統領のアジア滞在中に行くことはないだろう」と述べ、今月下旬以降になることを示唆した。
米朝両政府は10月末のキム、李両氏の接触で、米朝協議が実現すれば、北朝鮮が、6者協議の枠内での実施であることを認め、姜第1外務次官が対応することで一致。だが、米国が求めた米朝協議後の6者協議復帰の確約などについては言質を得られず、米政府は内部で対応を協議していた。
スタインバーグ国務副長官は6日の講演で、「米朝協議の用意はあるが、それは(核問題の)交渉ではない。実質的な交渉は6者協議を通して行う」との位置づけを表明した。