スイス・ジュネーブの国連欧州本部で11日、長崎市の浦上天主堂の天使像など被爆資料の常設展示が始まった。広島・長崎両市が国連と交渉して実現した。
国連人権理事会の会議場そばのエントランスホールに、「核なき世界」への国際的取り組みを紹介する写真パネルなどと一緒に展示された。同様の常設展示は米ニューヨークの国連本部にもあるが、昨年夏、来日した国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長に対し両市が「欧州本部にも」と提案。国連が無償で半永久的に場所を提供することになった。観光客向けの国連案内ツアーにも組み込まれる予定。展示を熱心に見ていた国連のスペイン語通訳の女性(51)は、「欧州では『フクシマ』を機に、放射能の危険性への関心も高まっている。核廃絶へのメッセージを考える良い試みだと思う」と話した。
長崎市の田上富久市長は11日、常設展示の実現について「核廃絶は国益のレベルではなく、被爆した人間の現実を見た上での問題だと知ってほしい」と語った。広島市の松井一実市長も同日、「この展示で、すべての人に核兵器は人類の生存を否定するものだと感じてもらえれば」と話した。(ジュネーブ=前川浩之)