【ガザ市=山尾有紀恵、カイロ=石合力】エジプトのカンディール首相が16日、パレスチナ自治区ガザに入った。イスラエルによる占領継続を強く批判し、パレスチナへの連帯を示す行動は「アラブの春」後の地域情勢の変化を反映したものだ。今後の中東和平交渉の枠組みにも影響を及ぼしそうだ。
カンディール首相は午前8時半ごろ、エジプトとガザの境にあるラファ検問所に到着。その後首相府へ向かい、イスラム組織ハマスの指導者ハニヤ首相と約15分間会談した。14日のイスラエルによる大規模空爆開始後、ハニヤ氏が公の場に姿を見せたのは初めて。ハニヤ氏は「革命後の新しいエジプトを象徴する訪問だ」とたたえた。
ムバラク前政権時代のエジプトは米国、イスラエルと治安面などで緊密に連携し、米とともに仲介役の立場を取った。自治政府を率いるパレスチナ主流派ファタハとの関係を重視し、イスラエルとの武装闘争を掲げて和平交渉を拒否するハマスとは一定の距離を保っていた。