【カイロ=石合力】エジプトのムルシ大統領は22日、すべての大統領令を司法判断の対象から除外し、ムバラク旧政権を倒した革命中の市民殺傷や旧政権時代の汚職などの裁判をやり直させ、憲法起草委員会への司法介入を禁止する内容の大統領令を出した。
新憲法発布までの時限措置だが、大統領権限が司法、行政、立法にまたがり、大幅に強化される。世俗的なリベラル勢力は23日、抗議デモを呼びかけ、カイロ市内のタハリール広場に約1万人が集まり、治安当局が催涙ガス弾を使用した。国営テレビによると、第2の都市アレクサンドリアでムルシ氏の支持母体イスラム同胞団の政党「自由公正党」支部が襲撃、放火されるなど、複数の都市で抗議デモや暴動が起きている。厳格派(サラフィー)を含むイスラム諸勢力は大統領令を支持しており、世俗派との緊張が高まっている。
ムルシ氏は23日午後、大統領府前で支持者らを前に演説し「目的は政治、社会、経済の安定と権力の民主的な移行だ」と語った。