【ロンドン=沢村亙】メディア王マードック氏系の英大衆紙の盗聴事件を検証していた英国の独立調査委員会が29日、新聞社を対象とする監督機関の設立を政府に勧告した。報道倫理に違反した新聞社に罰則を科し、いきすぎた取材・報道を防ぐのが狙い。「報道の自由が損なわれる」との批判も出ている。
独立調査委のレブソン委員長(英高裁判事)は「新聞が自らの倫理規定を無視した結果、無実の人の生活が破壊された」と批判。立法措置に基づく独立の監督機関を設立し、違反した新聞社に100万ポンド(1億3千万円)以下の罰金を科すなどの権限を与えるよう勧告した。
英国には主要な新聞社が共同で運営する自主規制機関「報道苦情委員会」があり、誤報やプライバシーを侵害した報道に是正を勧告している。だが盗聴事件の解明に十分な役割を果たせなかったことから、新聞業界とは独立し、より権限が強い監督機関を求める声が強まっていた。