2008年3月18日
開口笑
ここ中国で、沖縄の揚げ菓子サーターアンダーギーが食べられるとは思わなかった――。北京の軽食屋で、この「開口笑(カイコウシアオ)」を見つけた時の素直な感想だ。それほどよく似ている。
1個1元(約14円)。揚げるときに真ん中から割れるので「まるで大きな口を開けて笑っているようでしょう」。縁起のいい名前の由来を、店を仕切る年配女性がこう教えてくれた。
サクッとした歯ざわりで中はほっこり。いわば中華風ドーナツだが、それほど甘くない。サーターアンダーギーとの一番の違いは表面のゴマ。香ばしさがよく合う。
沖縄でも、揚がったサーターアンダーギーが真ん中から割れることを「笑う」と呼ぶそうだ。ルーツはきっとつながっているのだろう。
唐代の詩人、白居易(白楽天)の詩「酒に対す五首」に、こういうくだりがある。
随富随貧且歓楽
不開口笑是痴人
「金持ちも貧乏人もそれなりにとりあえず楽しもう、大きく口を開けて笑わないのは愚か者だ」との意味という。短い人生、あくせくしても仕方がない、と説いているのだろう。
店は家族や友人と笑い合う人たちでにぎわっていた。「開口笑」はこうしたひとときに欠かせない。(琴寄辰男)
【作り方】 ふるった薄力粉にベーキングパウダー、卵、砂糖、塩、ラード、水を加えてまぜる。生地を棒状にし、約10グラムごとに切って丸める。表面に卵白を塗ってゴマをまぶす。100度前後の低温の油に入れ、表面が割れて薄い色がつくまで揚げる。