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イタリア映画、それぞれの現実と愛のかたち
「私が望む人生」
「私が望む人生」
「聖なる心」
「聖なる心」
「瞳を見ればわかる」
「瞳を見ればわかる」
 いよいよ六年目に及ぶ映画祭だが、今回もまたあらゆる意味でイタリア映画の生命力を見せつける作品が名を連ねる。

 この映画祭でもっとも愛される監督の1人、ピッチョーニは「私が望む人生」で実人生と映画のあわいを生きる役者たちのめくるめく心模様を優美で繊細な筆致で紡ぎ、同じくジョルダーナも「輝ける青春」で限りない涙を誘ったアレッシオ・ボーニと再び組んで人と人との絆を見つめた入魂のドラマ「13歳の夏に僕は生まれた」を送り出した。初お目見えとなるサルヴァトーレスはハードボイルドなテイストの心理劇「クオ・ヴァディス,ベイビー?」でこれまでとは一味違う作品世界に招待してくれる。センスが光る逸品だ。

 ロマン派の濃厚な色彩感と陰影に富んだ映画作りでハートをつかむオズペテクは問題作「聖なる心」を世に問い、ラヴ・コメディの達人ジョヴァンニ・ヴェロネージは「恋愛マニュアル」で旬の役者たちを配したキレの良い演出と抜群のストーリーテリングを披露し、才人ダラートリはイタリアの社会と個人の関係を鮮やかに浮き彫りにした「マリオの生きる道」で観る者を唸らせる。

 マルコレとアルバネーゼという二人の偉大なコメディ・アーティストの競演が話題の「二度目の結婚」のアヴァーティ、常に贅沢なキャスティングで人の心の闇に迫ろうとするコメンチーニ、静かな日常に潜む悲劇を探るイタリア映画界の重鎮、ロベルト・ファエンツァが伝統的手法を保守する一方、それを凌駕する勢いの新人作家たちの台頭も続く。

 ヴァリア・サンテッラはしなやかな感性と女性ならではの温かくやわらかなタッチに癒される「瞳を見ればわかる」で現実とファンタジーの微妙な関係を紐解いてみせ、「母なる自然」のマッシモ・アンドレイは鮮やかな原色のナポリを舞台にゲイ・コミュニティのおかしくも哀しく、奔放で傷つきやすくナイーヴで独自の世界観に彩られた日々を生き生きと描き出した。そして、じっと見つめ続ける視線を通じてわれわれの存在の不確かさを名匠ジュゼッペ・ランチによる格調高い映像で表したパオロ・フランキの「見つめる女」も、長篇1作目にして恐るべき力量だ。

 イタリア映画の新生から目が離せない。

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