イタリア映画祭2010

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作品情報

『ただ、ひとりの父親』写真

ただ、ひとりの父親

[2008年/93分] 監督:ルカ・ルチーニ
Solo un padre(Luca Lucini)

皮膚科医で30歳のカルロには、生後10ヶ月になる娘のソフィアがいた。彼女の面倒を見ていた両親がヴァカンスに出かけたため、カルロが彼女の世話をするが、思うようにはいかない。同じ頃、脳機能の研究のためにトリノに来たフランス人のカミーユとジョギング中に出会う。時々、娘の面倒を見に来てくれるようになる彼女と親しくなるにつれて、カルロは失われた感情を取り戻していく。心に傷を負った人間が、生きることの大切さを知り、再生していく過程を穏やかなタッチでたどるハートフルなドラマ。

『それもこれもユダのせい』写真

それもこれもユダのせい

[2008年/102分] 監督:ダヴィデ・フェラーリオ
Tutta colpa di Giuda(Davide Ferrario)

前衛劇のディレクターである若きイレーナは、刑務所の教誨師の依頼を受けて、収容者とキリストの受難劇を上演することになる。だが、そこには思わぬ落とし穴があった。誰も裏切り者のユダを演じたがらないのだ。果たして、イレーナは劇を上演することができるのだろうか…。『トリノ、24時からの恋人たち』のフェラーリオ監督は、トリノの刑務所で実際の収容者も役者に起用しながら撮影をし、生き生きとした歌と踊りが楽しい喜劇を作り上げた。09年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペ部門出品。

『元カレ/カノ』写真

元カノ/カレ

[2009年/120分] 監督:ファウスト・ブリッツィ
Ex(Fausto Brizzi)

ヒット作を連発するブリッツィ監督によるラブコメディー。転勤で国を越えた遠距離恋愛になってしまうカップル、離婚するにあたってお互いに子供の親権を放棄しようとする夫妻、元恋人をあきらめきれず、新しい恋人が出来ようものなら脅迫して別れさせようとする警官、結婚間近なのに、今は神父になったかつての最愛の恋人に出会ってしまったスーパーの店員など、問題を抱えた様々な年齢のカップルや夫婦の6つのエピソードが絶妙に織り交ぜられながら、愛の素晴らしさが歌い上げられる。

『ジュリアは夕べに出かけない』写真

ジュリアは夕べに出かけない

[2009年/105分] 監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ
Giulia non esce la sera(Giuseppe Piccioni)

『もうひとつの世界』や『ぼくの瞳の光』などでおなじみのピッチョーニ監督が、主演にヴァレリオ・マスタンドレアとヴァレリア・ゴリーノを起用したちょっとほろ苦いラブロマンス。小説家として順調にキャリアを積み、大きな文学賞にもノミネートされたグイドだったが、妻と娘とはいまひとつ上手くいっていなかった。そんな中、娘が通う水泳教室で魅力的な先生のジュリアに出会う。教室に通うことになったグイドは、やがてジュリアを夕食に誘うが、彼女には夜、外出できない深い理由があった。

『バール・マルゲリータに集う仲間たち』写真

バール・マルゲリータに集う仲間たち

[2009年/90分] 監督:プーピ・アヴァーティ
Gli amici del Bar Margherita (Pupi Avati)

1954年、ボローニャ。18歳のタッデオの家の近くに、個性あふれる男たちが集う「バール・マルゲリータ」があった。自分もその仲間に加わるのを夢見るタッデオは、一計をめぐらし、バールの中心的な人物のアルと知り合うことに成功する。彼のお抱え運転手となったタッデオは、常連たちの面白おかしい世界を目にすることになるのだった。1938年、ボローニャに生まれたアヴァーティ監督は、青春時代の思い出を活かしながら、故郷とその時代への愛惜がたっぷり込められた喜劇を作り上げた。

『ハートの問題』写真

ハートの問題

[2009年/104分] 監督:フランチェスカ・アルキブージ
Questione di cuore(Francesca Archibugi)

『明日、陽はふたたび』などが劇場公開されたアルキブージ監督の新作。脚本家として功を成したが、一匹狼でおしゃべりなアルベルト。自動車修理工場を経営し、堅実で家庭を大事にするアンジェロ。人生が交わることが無さそうな二人は、共に心臓発作を起こし、たまたま同じ集中治療室に運び込まれる。意外にも意気投合した二人は、退院してからも友達として付き合うようになる。主演のアントニオ・アルバネーゼとキム・ロッシ・スチュアートのスターによる掛け合いが楽しくもあり、心にしみるドラマ。

『勝利を』写真

勝利を

[2009年/128分] 監督:マルコ・ベロッキオ
Vincere(Marco Bellocchio)

イタリアに独裁政権を築いたベニート・ムッソリーニに対して、彼の正妻であることを求め続けた女性イーダの半生を、巨匠ベロッキオが緊迫感に満ちた映像でたどる。熱心な社会主義者だったが、ファシストに転向するムッソリーニ。彼に惚れていたイーダは、全財産を投げ打って支援し、身も捧げ長男を産む。しかし、他に正妻と長女がいたムッソリーニは、イーダを遠ざけていくのだった。イーダ役のジョヴァンナ・メッゾジョルノの鬼気迫る演技が圧巻。09年カンヌ国際映画祭コンペ部門出品。

『コズモナウタ−宇宙飛行士』写真

コズモナウタ−宇宙飛行士

[2009年/85分] 監督:スザンナ・ニッキャレッリ
Cosmonauta(Susanna Nicchiarelli)

1950、60年代、風変わりでてんかんの持病のある兄アルトゥ−ロと大胆で活発な妹ルチャーナは、共産主義を信奉し、コズモナウタ(ソ連の宇宙飛行士)に憧れる仲の良い子供だった。だが、異性の目が気になる10代半ばという年頃になった妹は、兄から距離を取り始める。その当時の独特の雰囲気を巧みに取り込みつつ、思春期特有の少女が持つ心のゆらぎを温かくかつコミカルなタッチでとらえたのは、本作が長編第1作となるニッキャレッリ監督。09年ヴェネチア国際映画祭のコントロカンポ・イタリアーノ部門で賞を受けた。

『重なりあう時』写真

重なりあう時

[2009年/95分] 監督:ジュゼッペ・カポトンディ
La doppia ora(Giuseppe Capotondi)

ホテルで清掃係として働くスロベニア移民のソニアと、元警察官で今はガードマンのグイド。カップリング・パーティーで知り合った二人は、すぐに恋に落ちる。ある日、グイドは仕事場の別荘にソニアを誘うが、そこで二人の人生を一転させる事件が起きてしまう。先が読めない展開と透明感のある映像が印象的で、スリラーの要素も少しあるカポトンディ監督の長編第1作。ソニア役のクセニア・ラパポルトが09年ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞し、監督は華々しいデビューを飾った。

『まっさらな光のもとで』写真

まっさらな光のもとで

[2009年/98分] 監督:フランチェスカ・コメンチーニ
Lo spazio bianco(Francesca Comencini)

女性のコメンチーニ監督が、マルゲリータ・ブイを主演に迎え、母であることをテーマに据えた作品。離婚後は、教師として働き独立して暮らしてきた30代後半のマリア。期せずして妊娠するが、彼氏は出産を望まないので、シングルマザーとして生きていくことを決意する。しかし、妊娠6ヶ月で出産。マリアに出来るのは、保育器の中に入った赤ちゃんを毎日見守ることだけだった。いら立ちや不安を覚えふさぎがちな母親を、ルカ・ビガッツィのキャメラが優しくとらえる。09年ヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品。

『やがて来たる者』写真

やがて来たる者

[2009年/117分] 監督:ジョルジョ・ディリッティ
L'uomo che verrà(Giorgio Diritti)

第二次世界大戦末期にボローニャ近郊のある山村で起こった虐殺について、一人の少女とその家族を物語の中心に据えて描いたディリッティ監督の長編第2作。貧しい農家の一人娘である8歳のマルティナは、弟を生まれたばかりに亡くし、それ以来誰とも話さなかった。1943年冬、ついに母は妊娠し、マルティナと家族は新しい子の誕生を待ち望む。だが、村やその周囲でパルチザンとドイツ軍の戦いは次第に激しさを増していった。09年ローマ国際映画祭で審査員賞と観客賞を受賞。

『頭を上げて』写真

頭を上げて

[2009年/87分] 監督:アレッサンドロ・アンジェリーニ
Alza la testa(Alessandro Angelini)

鮮烈なデビュー作『潮風に吹かれて』に続き、父と息子の絆をまざまざと描くアンジェリーニ監督の2作目。造船所で働く熟練工のメロの生きがいは、男手一つで育てている一人息子のロレンツォだった。メロの夢は、息子をボクシングのチャンピオンにすること。日々トレーニングを重ねる二人だが、息子がルーマニア移民の少女と出会ったことから、父と息子は対立し、二人の運命は予期せぬ方向へ進む。メロを熱演したセルジョ・カステッリットは、09年ローマ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いた。

『もうひとつの世界』写真

もうひとつの世界

[1998年/100分] 監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ
Fuori dal mondo (Giuseppe Piccioni)

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞や主演女優賞など5部門を制したピッチョーニ監督の代表作。生涯を修道生活に捧げる式を控えている修道女のカテリーナ。クリーニング店を経営しているが、女性従業員の名前すら覚えようとしない独身のエルネスト。自分の世界に閉じこもりがちで孤独な二人が、ある出来事によって偶然知り合い、それぞれの世界が近づき始める。主演のマルゲリータ・ブイとシルヴィオ・オルランドの名演を得つつ、心と心が通じ合っていく過程が丁寧な演出によって描かれる感動作。

『母の微笑』写真

母の微笑

[2002年/102分] 監督:マルコ・ベロッキオ
L'ora di religione (Marco Bellocchio)

ベロッキオのフィルモグラフィーのみならず、2000年以降のイタリア映画を代表する作品の1本。イラストレーターで無神論者のエルネストは、兄に殺害された母が聖女にされる運びと知って驚く。他の兄たち、叔母、妻らがその実現による利益を受けたいがために協力を求めるが、エルネストは抵抗する。謎めいたシチュエーションなどベロッキオらしい魅力に満ちていて、セルジョ・カステッリット主演の本作は、2002年カンヌ国際映画祭審査員賞、ヨーロッパ映画賞主演男優賞など多数の賞を受賞した。

上映日時

【東京】 5月2日(日) 18:00 チケット完売

※上映作品はイタリア側の都合により、変更の可能性があります。
※上映作品はこの映画祭のために輸入するプリントのため、英語字幕などが入っている可能性があります。