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11月13日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 社会学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員、作家、そして昨今はテレビやラジオの情報番組などにコメンテーターとして数多く出演。まさに八面六臂(ろっぴ)の活躍を続ける古市さん。多忙な日々でしんどく感じることもあるだろうと思いきや、「基本的にはラクなことを選んでいるので大丈夫。『好き』な気持ちで取り組めることだけを仕事にしているので、どれも楽しんでやっています」と笑う。

 子どもの頃から文章を書いたり絵を描いたりすることが大好きだったという。そのせいか人と会わず、家にこもりがちだった。そんな古市さんに、「頭の中で考えるだけでなく現場へ出るのも悪くない」と教えてくれたのが大学時代の恩師だ。授業の一環で街へ繰り出したり、子どもたちに英語を教えたりといったことをたくさん体験させてくれた。「今、僕がこんなふうに色々な仕事にスッと入っていけるのはその先生のお陰かも知れません」

 そんな古市さんはまた「努力したら負けだ」とも考えている。「例えば本当はそれが苦痛なのに努力で絵がうまくなった人と、好きで好きで自然に絵を描いてしまう人だったら、後者の方が絵描きとして長続きすると思うんです。だから僕も、なるべく自分が努力と感じずにできること、何時間でも無我夢中で没頭できることを仕事にするようにしています。その方がストレスもないし、より良いものを生産したり創作できたりすると思うんです」

 そして、好きでできることを仕事にするためには専門性を持つことが大事だと説く。「やりたいことが特に何もなくても、得意なことが一つでもあれば、それを生きる糧にすればいいんです。その才能は誰にも奪えないものだし、それがあると思うだけで気分的にもラクになれます。ちなみに僕の場合は分かりやすい文章を書くことが得意。逆に社会学は、この先何歳まで気づきを得ていけるかあいまいなので、自分の武器だとはあまり思っていません」

 「書く」という得意をさらに生かすべく挑戦した小説も、『百の夜は跳ねて』で既に単行本2作目。「エッセーや評論では書けないような気づきを表現できるので、ささやかな日常の出来事にもより敏感になった気がします。自分にもう一つ新たな視点が増えました」

 実は小さな頃から「愛されキャラ」で、周りが放っておかない存在だったようだ。そんな古市さんに、本人流のコミュニケーション術を聞いた。「それは自己紹介ができる自分を持つことですね。初対面の相手でも、自分は何者かをちゃんと伝えられれば、相手との距離はグッと縮まるはずです」

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