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02月28日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 「自分が一番やりたかった役と、今やっと巡り合えたと思いました。だから、等身大の自分を全てぶつけるつもりで挑みました」。女優・夏帆さんがそう語るのは、1011日(金)から公開予定の映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』だ。


 数々のドラマや映画に出演し、確かな演技力に定評のある夏帆さん。今回演じるのは、何者にもなれない自分や田舎にコンプレックスを抱き、もがきながらも日々仕事に明け暮れる30歳のCMディレクターである。


 「最初に台本を読んだ時、彼女(砂田)が抱えている寂しさや孤独感が痛切に伝わってきたのと同時に、こういうことで悩んでいるのは私だけではないんだと感じました。すごく共感したんです。そんな砂田が好きになり過ぎて、撮影後半は自分なのか砂田なのかよく分からなくなってしまったほどでした(笑)」


 小学5年の時にスカウトされ、芸能界デビューした夏帆さん。翌年には「三井のリハウス」のCMで注目を浴び、一気に仕事が増えていった。「本当に単なる好奇心で始めただけだったので、言われるままに色んなCMやドラマの現場に行っていました。当時は自分が何をしているのかほとんど分かっていなかったです」


 16歳の時、映画『天然コケッコー』で主演を務める。この作品での透明感あふれる演技は高く評価され、数々の映画賞の新人賞を獲得。何より自身にとっても女優としてターニングポイントになったと振り返る。「山下敦弘監督が時間をかけて丁寧に撮ってくださり、撮影現場ってすごく面白いんだっていうことを教えてもらいました。この時初めて女優を続けたいなとちょっと思えたんです」


 それでも本当に続けるかどうかは迷っていたという。与えられた仕事量に対して、自分の実力が伴っていないことへのもどかしさや葛藤があって、決断するのが怖かったのだ。


 そんな心境が少し変化したのが高校卒業の時。「大学進学を諦めたことで、『学生なので』という逃げ道がなくなった。それまでは『仕事一本でいく』という、責任を負うようなことから逃げていたけれど、それができなくなったわけです。でもそれで仕事への向き合い方が変わりました」


 20代に入ってからは、仕事を自分で選んで受けるようにした。「軽い気持ちでこの世界へ入ってしまったがゆえ、どんな現場に行っても、自分の気持ちが追いついていないと感じることが多かった。でも、自分の意思で出演作を決めることにしただけで、取り組み方が変わり、仕事の幅も広がっていき、楽しいと思う気持ちも増していきました」

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