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08月03日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 和田さんは3人の子どもを育てながら、食育インストラクターとしてレシピ本を出版するほか、テレビや雑誌、情報番組への出演、コラム執筆など多方面で活躍している。


 実は、子育て中であることが今の仕事に大いに役立っているそうだ。「子どもは、例えばある時期からすごくたくさん食べるようになったりとか、その食生活って成長と共に日々変わっていく。じゃあ、なるべく食材費をかけずに満足感のある夕食にするにはどうしようかなって考えることが、そのまま新しいレシピのヒントになったりすることも多いんです」


 仕事も子育ても、和田さんにとっては両方大切なもの。「子育てがちゃんとできていないと仕事にも集中できない」とフルに働き始めてから気づいたという。「そのため仕事は午後5時までと決め、その後の時間は子どもたちと一緒に夕食を食べてお風呂に入るといった感じで家族と過ごすようにしています」


 そして、しゅうとめであり料理家の大先輩でもある平野レミさんの存在は大きな原動力だ。例えばレシピ開発の依頼が重なって忙しくなると、「これはこれとして置いといて、早く次のものに取りかからなければ」と考える時がある。「でもレミさんなら時間がなくても納得いくまで何度も作り直してレシピを考えるだろうなって。それでつい私も妥協せず頑張ろうと自分を奮い立たせるようになるんです」


 レシピを考える際に大事にしているのは、あくまで自分らしさのあるものを生み出すこと。「どんどん難しい料理に挑戦し、料理家としての道を窮めるという生き方もあると思います。でも私は、初心を忘れず、全く料理ができなかった頃の自分に向けてレシピを考えるように心がけているんです。昔の私みたいに料理が苦手な人や、子育てに追われて気持ちに余裕がなくなっている人に、『大丈夫! まずはこれから作ってみない?』と寄り添える料理家でありたいなって」


 そのためにも、今は目の前の仕事一つひとつに丁寧に取り組むことを大事にしたいと語る。「どんな仕事でも必ず好きになれる部分がある。それを見つけてとにかくやり続けると、何かしらつかめるものがあるはずです。私がまさにそう。料理もやり始めたらどんどん楽しくなって、そして今があるという感じです」


 和田さんは子どもの頃、その時々を楽しめるような大人に憧れていたという。もともと料理の仕事を目指していたわけではない。それでも第一線で活躍できているのは、その瞬間を最高に楽しいひとときにしようと大切に生きているからだろう。

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