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08月03日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 リモートワークの増加と共にラジオを聴く人も増えた。その中にはサッシャさんがナビゲーターを務めるJ-WAVEの番組「STEP ONE」を朝9時から聴くのが日課という人も多そうだ。「ほとんどの人の日常が変わってしまったけれど、でも変わらない日常もあるんだという安心感を届けたいという思いがありました。緊急事態宣言が全面解除になった今もそれは意識しています」

 ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれたというのもあって、子どもの頃から漠然と将来は両国の架け橋になるような仕事をしたいと考えていた。そのためまずはドイツの大学で経営学を学ぶつもりでいたが、日本の高校を出ただけでは入学資格を得られず、ひとまず獨協大学に入ってドイツ語を学ぶことにした。

 そうして大学3年になり、就職活動が始まった頃、「ラジオDJをやってみたい」と思うようになった。「元々音楽が好きでラジオもよく聴いていたので、せっかくなら好きなことを仕事にしてみたいなと思って」。ただ、どうしたらなれるのかが分からず、各放送局へ問い合わせのメールを送ることにした。

 「J-WAVEが返信をくれたのですが、すぐには無理だと分かり、難しい世界なんだなと思いました。そんな矢先、音楽専門チャンネルMTVジャパンのVJ(ビデオジョッキー)募集の告知を見つけたんです。映像の分野だけど音楽が好きだったので応募することにしました」。そして面接を受けるが、数カ月経っても全く返事がない。さすがに諦めて、本来のドイツ進学に進路を変えようとしていたら担当者から連絡が入った。「MTVVibeとして生まれ変わるという会社の事情で遅れました。改めてニュース番組を担当してほしい、と声をかけて頂きました」

 快諾して仕事に就くも、2年経ったところでチャンネルが閉局。クビを宣告されてしまう。「それでいよいよドイツ進学かなと思っていたら、今度は偶然J-WAVEの関係者の方から代演でナビゲーターをやらないかと誘いが来て、日曜朝のアウトドア番組を担当することになったんです。24歳の時でした」

 紆余(うよ)曲折を経て、ようやく夢をかなえたサッシャさん。思い通りにいかないことが何度もあると途中でくじけそうだが、そうはならなかった。と言うのも、サッシャさんにとっての一番の希望はドイツ進学だったから。「DJは言わば『第2志望』。なれたらいいなぐらいの感覚だったので、程良く肩の力を抜いて挑めました。それが良かったんだと思います」。でもやがて、その第2志望が天職になっていく。

 

※取材は610日に実施。

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