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09月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 ラジオDJだけでなく、モータースポーツや自転車ロードレースなどの実況中継、日本テレビ系「ズームイン!!サタデー」のサブ司会、はたまた映画の声優、ナレーター、イベントMCなど次々と活躍の場を広げてきたサッシャさん。「色々やる中でオリジナリティーが生まれる。それが自分の強みになると思うんです」


 そう気づく転機となったのが、2002年にスポーツテレビ局J SPORTSで自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」の実況を担当したことだ。「子どもの頃から大好きだったレース。その放送で自分に白羽の矢が立ったことに驚きつつも、うれしかったです。ただ、このチャンスを生かそうと言うより、僕にしかできない実況をやらなければ失礼だなという気持ちが強かった。その際、大事にしたのはラジオDJという一面。スポーツをエンタメとして楽しんでもらえるよう、レースの展開だけでなく、走る町の特徴や風景の話を盛り込み、フリートークを多めに入れるようにしたんです」


 スポーツ実況では試合そのものが主役であり、自身はあくまでも脇役だからと「回し役」に徹する。実際、ある年のツール・ド・フランスの実況でほとんどしゃべらなかったことがある。「2人の選手のデッドヒートのシーンでした。僕が話さない方がむしろ臨場感のある戦いが伝えられると思ったんです。あくまでもそのレースの魅力を最大限に引き出し、伝えるのが僕の役割ですから」


 この姿勢はラジオでも変わらない。例えばナビゲーターを務めるJ-WAVEの番組でも、主役はあくまで情報と音楽だと捉え、ゲストが登場すれば、その人の魅力が聴取者に届くようなインタビューを心がけている。


 声の仕事を始めて21年になるサッシャさん。最近はYouTubeチャンネルを開設し、自ら考案した様々な企画にチャレンジしている。かつて抱いていた、ドイツの大学で経営学を学ぶという夢ははるかかなたへ、と思いきや「いえいえ諦めたわけではありません」と笑う。


 「自分のことは自分が一番分からない」というのが持論。だから人が指し示してくれたことには積極的に乗っていく。「そこには自分を発揮できる要素が眠っている。僕もまさか自分が実況までできるなんて考えてもいなかった。でも、声をかけられたことには必ず意味があると思うので、素直に一度やってみることにしています」。中にはうまくいかなかったこともあった。でも、やってみないと向いているかどうかも分からない。「その中でこれだ!と思うものが出てきたら、それを自分がやる理由を見つけるといいですよ。仕事ががぜん面白くなります」


※取材は610日に実施。

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