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09月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 黒板にチョークを使って文字やイラストを描いた看板を、カフェや飲食店でよく見かけるようになった。チョークアートと呼ばれているが、その先端で活躍しているのが「手描きグラフィックアーティスト」のCHALKBOY(チョークボーイ)さんだ。

 地元の大阪市立工芸高校ビジュアルデザイン科を卒業後、グラフィックデザイン会社へ就職。でも職場が自身に合わず、体調を崩して半年で退職する。すっかり心が折れたチョークボーイさんは、次は失敗したくないという思いもあって徹底的にリサーチ。そんな中で見つけたのがロンドンの芸術大学だった。

 「分野と分野の壁を飛び越えろ」というコンセプトに引かれたという。「元々音楽も好きだったので、漠然とですが音楽とグラフィックのはざまをいけるような仕事がしたいと考えていました。ただそれがどんな職業かはイメージできていなかった。だからまずその大学に入って、自分が求めている領域の仕事を模索しようと思ったのです」

 しかしいざ留学してみると、どうも自分のやりたいこととはマッチしない。そこですぐに姉妹校へ編入。「そこでは身体表現や2次元のグラフィックを勉強し、また、音楽が使えて映像も学べるということでアニメーション制作も経験しました」。でも、やはりピンと来るものがなかった。結局やりたいことが明確に見つからないまま22歳で帰国し、大阪のカフェでアルバイトを始める。だが、このカフェとの出会いが人生を大きく動かしていく。

 「毎日交代でバイトがその日のメニューを黒板に描くんですが、僕はサボりたくてダラダラやっていたので先輩に注意された。じゃあ怒られないためにはどうすればいいかと考えて、ことさら時間をかけて丁寧に仕上げることにしたんです。ワインやビールのラベルを模写したり、文字をアレンジしたりして」

 そのうちお客さんからライブペインティングみたいと評判になる。更に社長の目に留まり、いつしか新店のオープンの度に現地へ行き、ボードにメニューを描く担当に。気づいたらポスター作りなども任されるようになっていた。

 そして更なる転機が訪れる。「ある新店舗で描いたメニューボードが建築雑誌に掲載され、クレジットとして名前を入れることになったんです。実はこの頃、黒板描きで活動していけたらいいなと考えていたので、僕の存在を知ってもらえるチャンスかなって。ただ、本名では何をする人か伝わらないので、『CHALKBOY』という名を載せてもらいました」

 こうしてカフェは辞め、アーティストとして独立することになる。

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