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07月09日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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 20189月、作業服チェーンの「ワークマン」は東京・立川のショッピングセンターに、カジュアルウェアなどが充実した新業態の「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」1号店をオープンさせる。その初日、販売促進グループマネジャーの林さんは「ぼちぼちでもお客さんが来てくれたら」と考えていたという。すると目に入ったのは遠くから音を立てて走ってくる人の波。

 「どこかでイベントか?と思ったら、うちに来店する人たちで驚きました」。結果、この日のセールスは既存のワークマンのオープン時に比べて約25倍を記録。これ以降も好調で、その売り上げ報告に社内は驚愕(きょうがく)の渦となる。新たな試みで手探り状態だったため、会社としては4年赤字も覚悟していたのだ。

 「本当にうれしかったですね。オープンに先駆けて準備も多く大変だったので」。例えば今までの店舗はマネキンもなく倉庫のような感じだったが、それをカジュアル衣料品店のような商品展示にしたり、撥水(はっすい)や防水などの機能を素人のお客さんにも分かりやすく説明できるようスタッフを教育したり。

 また、広報を担う林さんは宣伝のためのメディア戦略にも力を注いだ。「これまでは業界紙しかつき合いがなかったのですが、テレビやネットなど幅広く声をかけ、多くのメディアの方に内覧会に参加して頂きました」

 そしてSNSも駆使。アウトドア分野で影響力のあるインフルエンサーを社内に招き、商品に対する意見を聞いたりした。またさらに、新商品発表会で「過酷ファッションショー」も開催。降水機や降雪機で荒天を再現し、嵐のような「過酷」な状態を会場に作って防水や防寒などの機能性をアピールした。

 こうした努力が実を結び、優れた機能性を持ちながらも安価な同社商品の魅力は広く伝わって、女性誌でも紹介されるまでになった。現在、ワークマンプラスは約160店舗。ワークマンでは今後、新店舗を全てワークマンプラスの業態にするという。

 今、会社は第二の創業期のようで、忙しくもやりがいがあると林さん。ただ、好調な時ほど足元を固め、様々なアクシデントや新たな展開に備えなければならないと語る。「欠品が出ない物流システムや在庫調整、店内オペレーションの見直しなど課題は山積みです。とは言え、これからも機能性の高い作業服を開発していくことに変わりはありません。多くの方に喜ばれる優れた製品を地道に作り続けていきます」

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