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2012年12月1日
【動画】大学3年生の就職活動スタート 合同会社説明会開かれる |
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【角田要、米谷陽一】2014年春に卒業予定の大学3年生の就職活動が1日、本格スタートした。経団連の倫理憲章が改訂され、会社説明会など主要企業の広報活動の「解禁」が従来より2カ月遅くなって2年目。学生を迎える企業にも、送り出す大学にも、前年の反省を踏まえた動きが見られる。
就職情報大手のリクルートはこの日、東京都江東区の東京ビッグサイトで3年生向けの合同企業説明会を開いた。240社が出展し、朝から開場を待つ学生であふれた。2万5千人の来場を見込む。
今年は12月中に同規模の説明会をさらに2回開く。昨年は中旬に500社が出展するイベントを1回開いただけだった。リクルートは「学生が1日に回れるブースの数は決まっている。開催日を分けたので、より多くの会社を見てほしい」と話す。
成城大3年の真部翔さん(21)は商社やアパレルなどの繊維業界が第1志望。だが、「今日は、通信や電機など、いろんな業界の話を聞いて就職活動の幅を広げたい」と意気込んだ。
リクナビやマイナビといった14年春卒向けの就職情報サイトもこの日、オープンした。
企業がいくら情報発信に熱心になっても、学生がついてこなければ、採用活動はうまくいかない。
マイナビが約2千社に14年春卒の採用活動の見通しを聞いた調査では、約4割が「厳しくなる」と答えた。知名度が高くない会社のなかには「会社のことを十分に調べていない学生が増えないか」といった不安があるようだ。
マイナビの担当者は「熱心な学生は会社をたくさん回るチャンスが増える。その分、熱心でない学生との差がさらに広がる」とみる。
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【小林恵士、大井田ひろみ】昨年の反省点を踏まえ、大学は、早め早めに学生の危機意識を促す。
明治大は10月、3年生向け就職ガイダンスを受けた約6千人にエントリーシートを書かせ、外部委託で添削。前年までは先着1500人に限っていたが、今年は希望者全員を対象にし、費用は数百万円に上った。就職キャリア支援部は「昨年は、企業研究を十分しないまま年が明けてしまった学生も多かった」と話す。同大オリジナルの「就活手帳」も数百万円かけて作製。約8千部作り、ガイダンス参加者に配布した。スケジュール帳に使えるほか、右ページに企業の設立年や資本金などの情報、左ページをメモ用の余白として、見開きで会社情報を書き込める。
昨年は倫理憲章を意識して、企業を呼んでのセミナーは見送ったが、今年は、「営業職」などの職種で区切って、採用につながらない形で開催しているという。
関東学院大の就活支援担当者は「一つ上の先輩がそこそこ就職できているのを見て、『12月からでも大丈夫』と思っている学生がいる」と心配する。そこで、今年10、11月に、企業側の採用担当者やOBとの座談会を初めて開いた。
ただ企業側も、解禁前に採用につながる活動をすると倫理憲章違反になってしまう。国士舘大は昨年、例年10月に開いていた「業界研究セミナー」に招いた企業の一部に、「解禁前だから」と参加を断られた。キャリア支援課によると、十分な企業研究ができないまま複数の業界から内々定をもらい、「どの業界に行ったら良いか」と相談に来る学生もいた。
今年は「採用活動でなく、学生のキャリア教育の一環」と強調し、10月末に企業関係者に業界の話をしてもらった。学生は積極的に参加したという。同課の大谷茂課長は「学生の動機づけにつながったのでは」と話している。