1年目はダメだったけど今度はうまくいく、はずだった。
実際は、1年目よりさらに高い壁がいくつも立ちはだかる。
一歩ずつでも内定に近づくために、何から始めればいいのか。(AERA編集部・福山栄子)
ぴんとこないな。
国立大学で社会学を専攻する女子学生(24)が、3年生で就職活動を始めたときの正直な気持ちだ。2月から会社説明会を回ったり、エントリーシート(ES)を出したりしていた。でも、学生時代を通じて途上国支援のNPOにかかわっていて、利益追求の「民間企業」で自分が働くイメージがわかなかった。
面接に進んでも心の中は、「どうせみんな同じなのに、なぜ志望動機なんて言わせるんだろう」
そんな調子だったから、案の定先には進めず、どこからも内定が出なかった。そして迎えた4年生の6月。このまま続けてもダメだ、立て直そう。留年しようか、大学院か。
父親は一言、「不況だから、状況は来年の方がもっと厳しくなるぞ」
考えたあげく大学院を受け、10月に合格した。
●立ちはだかるESの壁
でも迷いは続く。研究者になるわけじゃないし、やっぱり社会に出なきゃダメなんじゃないだろうか。大手企業のインターン募集を見つけ、申し込んだ。
「面接で先に進めなかったもう一つの原因は、人見知り。どういう道に進むにしても、それを克服したかったんです」
マンションを回り、インターネットの回線をオーナーや管理会社に売り込むのが仕事。これが、やってみたら楽しかった。
相手の状況に応じてポイントや話し方を変えると、面白いように話がまとまる。利益を追求するのって、悪くないな。結局、1カ月でインターン20人中トップの営業成績を出した。
自信がついて、やっぱり就職したくなった。担当教授に許しを請い、留年の手続きをして年明けから就活に猛チャージをかけた。再び会社説明会を回り、OB訪問をし、ESも40社以上に提出。だが−−。
就職留年した学生は誰もがこの「ESの壁」を口にした。とにかく、ESで落ち続けるのだ。
彼女も例外ではなかった。ESなんてもう50〜60枚は書いていて、書き方は心得ているはずなのに。面接で落とされるなら納得もいく。でも、ES段階で落とされていては、舞台に上がる前に帰された感じだ。
ここで、留年した多くの学生が、頭ではわかっていたはずの「留年は不利」という現実に直面し、心折れるケースも多い。
ある大手企業の採用担当者は、「留年」だけを理由にESをはねることはしないとしたうえで、こう打ち明ける。
「同じレベルの現役4年生と留年4年生がいたら、やはり1年でも会社の中での伸びしろが多い現役生の方がいい」