ボストン美術館展でモネの「ヴァランジュヴィルの崖の漁師小屋」を見る人たち=京都市左京区、高橋一徳撮影
京都市美術館(京都市左京区)で開催中の「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」(朝日新聞社など主催)で、ある作品が人気を集めている。知名度はほとんどないのに、作品の前には連日、人だかりができ、複製画の売り上げはダントツ。「見ていて癒やされる」画風が好評のようだ。
印象派を代表する画家、クロード・モネ(1840〜1926)の「ヴァランジュヴィルの崖(がけ)の漁師小屋」(1882年制作)。モネが夏にしばしば訪れたというフランスの海岸にある崖の上の漁師小屋と、その先に広がる海を多彩な色づかいで描いた風景画だ。雰囲気やタイトルから人気アニメを連想し、関係者の間では「ポニョ」とも呼ばれている。
関連グッズを販売する会場内の売店では、14種類ある複製画の中で、この絵の売り上げがトップ。1枚4万9800円だが、7月6日の開幕から約160枚が売れた。
複製画を制作したアルテノイエ社の山崎利昭社長は「モネの代表作ではないが、一般の人が好きになる要素が詰まっている」。海と山が同時に描かれて空間に広がりがあり、漁師小屋を描くことで人のぬくもりも感じさせるという。大阪市の主婦(56)は「この猛暑の中、開放感があって涼しげ」と話す。
後藤結美子学芸員によると、制作当時、似たような構図で売れていた作品を意識してモネが描いたものだという。「見る人の目線が海の向こうへ吸い込まれていくような感じで、行ってみたいと思わせる夢のある作品。当時も今も、同じように人気があるのは興味深い」と指摘する。
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ボストン美術館展は29日まで。モネやゴッホ、ルノワールら16〜20世紀の巨匠47人の名画80点が並ぶ。問い合わせは京都市美術館(075・771・4107)へ。