|
ここから本文エリア 教師たち(10) あきらめず訪問、「ありがとう」ルポ虐待 第5部 利恵さんに対する傷害容疑で逮捕された伯父は、拘置所に身柄を移された。旧知の民生委員が面会に行くと「しつけのつもりだった。ついエスカレートしてしまった」と言って泣いた。 民生委員は「学校にお礼参りなんかしたら許さん。先生たちがみつけてくれたからめいっ子を殺さずに済んだんだ。感謝しなさい」と諭した。伯父はうなずき、「学校には今後迷惑をかけません」と誓約書を書いた。 利恵さんは1カ月間入院した。退院後は児童相談所の一時保護所で過ごし、そのあと、別の親族に引き取られた。 伯父は執行猶予の判決を受けた。「これからは生まれ変わる」と、自分で運転手の職をみつけた。利恵さんにも近づかなかった。 「先生、助けてくれて本当にありがとう」。転校する前、利恵さんは中学校の担任の弘子先生(50)に何度も礼を言った。 学校に行けなくなった後、先生は何度もアパートを訪ねてきてくれた。もし先生があきらめていたら私はきっと殺されていた――そんなことも言った。 いま、また、弘子先生は同じ中学校で3年生を受け持っている。給食をがっつく子はいないか、目を伏せておどおどしている子はいないかと目を配る。 欠席の多い生徒がいれば特に気になる。利恵さんのことが、ふと頭をよぎる。(文中仮名) ◇ ここまでの記事は小河雅臣が担当しました。引き続き、児童養護施設の近くにある学校を取り上げます。 ◆児童虐待をめぐる体験や連載への意見をお寄せ下さい。〒530・8211 朝日新聞大阪本社虐待問題取材班へ。ファクス(06・6201・3958)、メール(o-syakai2@asahi.com)。住所、氏名、電話番号を。 この記事の関連情報 |