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五劫院の五劫思惟阿弥陀仏坐像 「奈良のお母さん」

2007年06月29日

 モデルを始めてから、地方に行く機会が急激に増えました。お仕事といえども、全国各地を旅しているような状況がとても新鮮で、空き時間を見つけては友達と会ったり、地元の仏像に会いに行ったり。今も変わらず、お仕事の合間のちょっとした自由時間を利用して、旅気分を満喫しています。

イラストイラスト・はな

 これが奈良となると特別プランがすでに用意されているのですが、特におすすめなのが「三時間で巡る三つのお寺――興福寺、五劫院(ごこういん)、般若寺編」。私がこのコースを組んだきっかけとなったのは、五劫院の、五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏さまとの出会いでした。仏友の、みうらじゅんさんに紹介していただき、以来、「奈良のお母さん」と呼ばせていただいている、特別な仏さまです。

 閑静な住宅街に佇(たたず)む、五劫院。到着したら玄関から「ごめんください」と、ご挨拶(あいさつ)してからお堂に通していただきます。まるで、阿弥陀さまのお家に遊びに来たような気分! そっと、阿弥陀さまの前に座り、見上げると、貫禄(かんろく)あるお姿と大胆にセットされた髪形が目に飛び込んでくる。その瞬間、「いらっしゃい!」と、阿弥陀さまの威勢の良い声が耳に届く気がします。

 五劫という人間には計り知れない長い間、修行を続けられた仏さまだそうです。その時間の経過を髪の毛の長さに刻み、母の愛に満ちたお姿で、私たちを迎えてくださる、阿弥陀さま。これからも私にとって、永遠の「奈良のお母さん」です。

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 はな モデル、タレント。1971年生まれ。上智大在学中は東洋美術を専攻した。著書に『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』ほか。

★「はなの縁」では、仏像鑑賞が趣味というはなさんに、月1回、お気に入りの仏像との出会いをつづってもらいます。

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