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重要文化財・高野山の孔雀明王像 聖地のお空に金色の翼

2007年07月27日

 数年前、初めて訪れた高野山は、深くて、厚い霧に包まれていました。

イラストイラスト・はな

 ぼんやり広がる、薄暗い景色の中から、様々な人生を歩んだ人々のお墓が浮き上がってきます。驚いたことに、異なる宗教、生前に戦いを繰り広げた者同士が、同じ山に眠っているのです。ロケットの形をしたお墓もあれば、白アリ供養のためのお墓まであります。なんとも自由で、寛大な心を持つ山! それが空海が築き上げた聖地、高野山の第一印象でした。

 密教の聖地、高野山。言い伝えによると、弘法大師空海が唐(現在の中国)から投げた「三鈷杵(さんこしょ)」という法具が、高野山の松にかかっていたそうです。自分が投げた三鈷杵を高野山で見つけた空海は、その地を密教の聖地にすることを決めたのだそうです。

 その聖なる山からまさに今、飛び立とうとしている瞬間をかたどったかのような、孔雀明王(くじゃくみょうおう)さま。高野山を訪れる前に一度、東京・上野の展覧会でお会いしたことがありました。

 私が崇拝する仏師、快慶の鎌倉時代の作品。翼を広げ、尾を光背に見立て、細い足で明王さまを支える、黄金の孔雀明王像です。明王さまを背に乗せ、お送りする準備が整ったのでしょうか、その瞬間、孔雀の鳴き声が聞こえてきた気がしました。

 そういえば昔、家の近所で孔雀を飼っていた人がいたなぁ。鮮明に蘇(よみがえ)る孔雀の鳴き声に耳を傾けながら、私は高野山を飛び回る孔雀明王さまのお姿を想像するのでした。

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 はな モデル、タレント。1971年生まれ。上智大在学中は東洋美術を専攻した。著書に『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』ほか。

★「はなの縁」では、仏像鑑賞が趣味というはなさんに、月1回、お気に入りの仏像との出会いをつづってもらいます。

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