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法然院 緑陰に数珠か団子か土供養

2007年06月22日

 白い砂が、風に揺れる木々の緑を強調している。

写真京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町で

 門前に「酒肉入山を許さず」と警告する石柱があったが、白砂壇(びゃくさだん)の間を通ることは、清浄な世界に入ることを意味するそうだ。

 経蔵の裏手に回ると、十重の石塔が見えた。上京区の引接寺(いんじょうじ)(千本閻魔堂(えんまどう))にある「紫式部の供養塔」にそっくりだ。至徳三年(1386)の文字をかろうじて読み取ることができるが、大正時代に模倣建立して奉納されたことが銘文によってわかる。

 すぐ横に奇妙なオブジェがある。流木の土台に陶製の玉が立っているのである。数えてみると12個だが、数珠のようでもあり、団子に見えなくもない。

 この寺で毎年個展を開いている陶芸家の中野亘さんが土の供養のために制作、貫主がここに配置したという。やがて土台が朽ちて土にかえるのだろうか、それともずっとこのまま立ち続けるのだろうか。石塔との間に不思議なバランスが保たれている。(写真家・大塚努)

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