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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>関西>こころ>ピンホールの目> 記事 清凉寺(嵯峨釈迦堂) 万巻の 経の重みを この腕に2007年10月12日 表は弥勒菩薩(ぼさつ)、裏は多宝塔になっている二面石仏を撮影していると、読経が風に乗って聞こえてきた。後でテープとわかったが、隣の一切経蔵からだった。
扉が開け放たれた正面に、中国・南北朝時代の居士、傅大士(ふだいし)の木像が鎮座している。立てたふたつの指が、私にはVサインに見える。まるで「任せといて」とほほ笑んでいるようだ。外気に晒(さら)されてきたせいだろうか、色鮮やかだったに違いない塗料が剥(は)げ落ちている。 中に入ると、回転式の経蔵があった。5408巻ものお経が納められているそうだ。この輪蔵(りんぞう)を一回転させると、すべてを読んだことになるという。 このアイデアは、たとえ文字の読めない人であっても、気軽に仏の教えに出会えるようにと、傅大士が考えたものだという。仏教経典は庶民にはやはり難解だ。100円を納め、体重をかけながら両手でグイと押してみた。六角形の巨大な書架が静かに回転し始めた。(写真家・大塚努) この記事の関連情報 |