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即成院 片思い 与一に願い かけてみる

2007年10月19日

 線香を香炉に立て、本尊の阿弥陀如来像を見上げた。

写真=京都市東山区泉涌寺山内町で

 左右のひな壇には、合掌する勢至菩薩(せいしぼさつ)と蓮台(れんだい)を持つ観音菩薩を先頭に、楽器を手にした菩薩の集団が座っている。極楽浄土の世界へ亡者を導く二十五菩薩だ。絵画としては多数あるが、立体像として表現されているのは珍しいという。

 本堂の裏に回ると、高さが約2メートルもある石造宝塔があった。阿弥陀如来を信仰した那須与一(なすのよいち)の墓だという。屋島の戦い(1185年)で、平氏方の軍船に掲げられた扇の的を見事に射落とし、これによって形勢が源氏に傾いたと、「平家物語」が伝える源氏の武将である。

 与一の功績にあやかろうと、願い事を朱書きした扇がたくさん奉納されている。

 商売繁盛、縁結び、合格祈願とさまざまだ。選挙のときは、当選祈願に候補者がやってくるという。合戦のヒーロー伝説が現代に引き継がれている。(写真家・大塚努)

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