被爆者を乗せて地球を一周する客船「クリッパー・パシフィック」=ピースボート提供
市民団体「ピースボート」(東京)が、広島、長崎の被爆者100人にアジア、アフリカ、欧州など21カ国・地域を回るツアーに参加してもらい、寄港地や船内で被爆体験を証言してもらう計画を進めている。原爆被爆の実情を市民レベルでじかに伝えるのが目的で、被爆者を含めた参加者を募っている。(武田肇)
ツアーは「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」。約2万2千トンの大型客船を使い、被爆者100人と一般600人の参加を予定。8月28日に横浜港を出航。ベトナム・ダナンを皮切りに、核保有国インドや、エジプト、スペイン、ベネズエラ、核実験場となったタヒチなど22カ所に寄港し、12月8日に帰国する。
被爆者の旅費は無料とし、各地で被爆体験を聞く会を開いたり交流会を催したりする。道中を記録映画化する計画もある。全国の被爆者の平均年齢は約75歳だが、ピースボートによると、毎年主催しているツアーに70歳以上の人は年間数百人が参加しており、「重い病気の方でない限り、参加は可能」と判断したという。船には日本被団協が推薦した被爆者医療に詳しい関係者も乗り込むという。
ピースボートの川崎哲・共同代表は「被爆63年近くたっても、広島、長崎で何が起きたのか、どんな被害が続いているのか世界で十分知られていない。被爆者100人が地球一周すれば何かが変わる」と話している。参加説明会などの問い合わせはピースボート(03・3363・7561)。