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【ただいま婚活中】(1)バツイチ合コンは福袋

2008年8月21日

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写真「かんぱ〜い」。バツイチ同士の合コンはしっとり盛り上がる=大阪市北区、山崎虎之助撮影図

 「初対面の女の人の薬指をつい見ちゃう。あ、指輪してない。シングルだなって」

 「ひとりは気楽だけど、夜はさみしい。ドラマをとなりで見て、おもしろいねって言い合える人がほしい」

 「もう一度結婚するならバツイチの女性がいい。男心をわかってくれる。結婚に過剰な期待はしてないしね」

 土曜の夜7時、大阪の居酒屋。掘りごたつ式の個室に男女3人ずつが向かい合って話すうち、本音がこぼれ出る。

 この日の顔ぶれは企画会社員や看護師ら、34歳から45歳までで全員がバツイチ。ネットを利用した合コン仲介サービス会社「Rush(ラッシュ)」(東京都中央区)がおぜん立てした。

 これまでの合コン参加者の平均年齢は30歳代前半。「バツイチだけど参加したい」という声が増え、6年前からはバツイチとお相手にバツイチさんOKの「2nd Rush」も始めた。こちらの平均は40歳過ぎ。東京や大阪などで開き、参加者はあわせて月に4千人近い。

    ◇

 今宵(こよい)の参加者のひとり、大阪府内の会社員(45)は高校生の息子がいると明かした。32歳で離婚し、男手で子育てにてんてこまい。40歳を前にしてハッとした。「子どもが巣立ったら、ひとりはヤバい。刺激しあえるパートナーがほしかった」

 大手の結婚情報サービス会社にも登録し、2年間で30人に会ったという。条件だけならストライクゾーン。でも、会ってみるとしっくりこない。そんなとき、バツイチさん合コンを雑誌で知った。参加すること10回。どんな人がくるかは賭けだ。「無駄も多いな」とは思うが、自己PRの鍛錬になる、と割り切る。

 「毎回真剣勝負でした」と話す大阪府内の会社員(40)も合コン組。お見合いパーティーよりじっくり話せるし、お酒が入るのでかたくならない。旅行、音楽、グルメの三大ネタを用意し、場を盛り上げながら女性陣を見回す。気遣いのできる人か、気どらずに話せる人か……。

 去年、30回目の合コンで出会った37歳の女性と9月に結婚する。つきあうなら結婚が前提、とクギを刺され、こっちも望むところ、と答えた。1年後にプロポーズ。「お笑い番組を見て、おもしろいと笑えるところが一緒」だったのが決め手になった。

    ◇

 Rushの水野真由美社長によれば、結婚相談所は条件のいいブランドものを手に入れられるブティック。かたや合コンは「物は試しで買ってみて、似合う服が入っているかもしれない」福袋だ。「チャレンジ精神のある人向きかもしれない」と言う。

 「見合い結婚が減って恋愛結婚が増えるなか、自分も恋愛をして結婚したいと、運命的な出会いを求めている」と話すのは、「合コンの社会学」(光文社)の共著がある社会学者阿部真大(まさひろ)さん(32)。一昔前まで、学生の恋人探しの場だった合コンが、いまは結婚相手と出会うための「装置」にもなっている。

    ◇    

 結婚年齢が上がるなか、「婚活」(結婚活動の略)が盛んだ。名づけ親の家族社会学者山田昌弘さん(50)は「結婚を目的とした出会いを増やし、魅力を高めるよう行動すること」と定義する。果ては「夢を追っても無理だと、自分を知ってほしい」と。解放感にひたれる恋の季節。婚活の現場を訪ね歩いた。(この連載は河合真美江が担当します。5回の予定です)

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