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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>関西>Do! オフショット> 記事 お経のビート 舞うハート 佐々木敏道(バトントワリング)2007年09月27日 世界選手権2連覇中のプロのバトントワラーは、競技者と違う顔も持っている。京都工芸繊維大の大学院でバトントワラーの平衡感覚について研究し、修士号を取った。「自分に合っているのは、研究者。表現するのは好きだけれど、人前に出るのは得意じゃなくて」が自己分析だ。
バトントワリングは正確なバトン操作と表現力を競う。70センチ前後のバトンを、手だけではなく、ひじでクルクルと回したり、背中や肩をはわせたり。上へ10メートル以上投げ、落ちてくる数秒間に体を回転させてキャッチする。曲想を表現しながら行うのは難しい。だからこそ「体の動きに、いかにバトンを違和感なく加えられるか。そこにこだわりたい」という。 化学に興味があって、京都工繊大に進むも、在学中にバトンの可能性の広がりに気づき、方向転換。「自分で理解しないと教えられない。すべて原因と結果がある。研究を指導や振り付けに生かせれば」。浪人の末、大学院に進み、応用生物学を専攻した。いまは、競技のほか、高校で指導したり、企業のイベントなどに出演したりしている。 最近、休みの日には寺巡りをする。占いで、今年と来年の運勢が悪いと言われ、良くするために、西国三十三所巡りを勧められたからだ。 京都に住んで10年になるが、初めて足を運んだところも多い。清水寺、六波羅蜜寺、六角堂……。「ようやく半分を過ぎたところ。心の平穏にはいいのかなあと思って、気長にいきます」 大阪府箕面市にある勝尾寺を訪れた時のこと。そこで聞いたお経にみせられた。「ビートがきいていて、すごく勢いがある。頭の中には、自分が演じているイメージがあるんです」 今年で最後と考えていた世界選手権だが、来年も挑戦しようと思っている。今年の大会で、演技中に2度、バトンを落とした。「ほかは自分の理想に近かった」。それだけに、満足できなかった。すでに曲の候補は三つある。そのうちのひとつが、勝尾寺のお経だ。 ささき・としみち 79年10月生まれ、神奈川県出身。大阪・PL学園高から京都工芸繊維大、同大学院修了。6歳からバトンを始め、8歳で世界選手権に出場。8月の世界選手権では20年連続出場を果たし、男子シニアで2連覇達成。個人、ペア、団体で計8個目の金メダル。163センチ、56キロ。 |