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太れないのが悩みです 外村哲也(トランポリン五輪代表)

2008年05月01日

 自分へのご褒美に買い物をした。4月17日の選考会で1位になり、北京五輪の切符を手にした後だ。2900円のバーテンダーセット。「格好いいですよね。高校生のころからのあこがれでした」

写真格闘技が好きで、ミルコ・クロコップの大ファン。「なかなか太れないんで、あの体形はあこがれです」=高橋一徳撮影

 自宅の台所で1人、銀色のシェイカーを振る。お気に入りはテキーラベースのカクテル、マルガリータ。「おいしくて、はまっています」。社会人2年目で、ちょっぴり大人の味を覚えた。

 今年2月に茨城県から大阪市に引っ越した。同学年の親友で、世界ランク1位の上山容弘(大体大大学院)と一緒に練習を積むためだ。同じ体育館で腕を磨き合う日々。「刺激を受けている」。北京には良きライバルとして、個人種目に2人で乗り込む。

 上山らとともに、大学生のころからワールドカップ(W杯)で世界を転戦してきた。みんながまだ寝息を立てている時間にベッドを抜け出す。軽いランニングを兼ねた早朝の散歩が外村流調整法だ。その際、デジカメは手放せない。「街の何げない風景を撮るのが好きなんです」

 これまで一番のお気に入りは、「アルプスの少女ハイジそのもので、感動した」というスイスのサボニンの風景。日体大4年時の夏に訪れたこの田舎町では、山並みが連なる中、羊たちがのんびり草をはんでいた。心が洗われた。

 父・康二さん(50)は84年ロサンゼルス五輪のゆかで銅メダルを取った元体操選手。北京行きを決めた後、当時の開会式の話を聞いた。「ビデオを回して楽しんでいる人もいたけど、本気で勝ちに来た体操や柔道の選手はみんな真剣だったみたい。僕もそうありたい」と張り切る。日本初開催のW杯(大阪・熊取町)が今月17、18日に控えるのもテンションが上がる要因だ。

 順風満帆の23歳にも悩みが一つ。太れない体質なのだ。油断するとすぐ体重が落ち、跳躍の力強さが失われる。時には、無理して米飯をほお張る。「食べて太るのも大事な練習の一つです」。端正な顔立ちから飛び出たお相撲さんのようなセリフがおかしかった。(平井隆介)

 そとむら・てつや 84年10月生まれ、東京都世田谷区出身。ザ・ビッグスポーツ所属。体操の練習として小学1年でトランポリンを始め、10歳の時に本格的に転向。07年世界選手権の個人で4位、上山と組んだシンクロナイズドでは日本人初の金メダル。世界ランク5位。165センチ、59キロ。

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