前座ともいえるGP2のレースで小林可夢偉が一足早く君が代を聞かせてくれた!もちろん、だからといってむやみに期待を抱いた訳ではないのだが…そして日本勢が置かれている現状を冷静に判断すると、表彰台の端には乗れないこともないかな?という所だと思うのだが。
しかし残念ながら終わってみればフェラーリの思い描いた筋書き通り、そのままの結果となってレースはチェッカーフラッグが振られた。好スタートを切ったマッサは終始安定したペースで、レースをコントロールしていたように思えたし、もしかしたら期待に応える新生マッサの誕生か?そう思えるような今日のマッサだった。
そして何よりも意外だったのが、マクラーレンの2台が表彰台に乗れなかったことだ。フリー走行でハミルトンのクラッシュがあったとはいえ、ペース的にはフェラーリと互角の勝負ができそうに見えたから、尚更意外であった。
そのスタート前、僕はマクラーレンのピットで撮影をしていたのだが、グリッドに出る5分前に悠々とガレージに入ってきたハミルトンは、満面の笑顔で、まず自分の車を担当するメカニック全員と握手を交わすと、次はコバライネンの担当のメカニック全員とも同様に握手を交わす。スタート直前でメカニックは結構テンパっているのだが、それでもドライバー自ら握手を求められて嫌な気分になるメカニックはいない。
以前、マイケルが同様のことをやっていた記憶があるのだが、やはり気は心、人心掌握の基本は相手を思いやる気持ちだ。それまでミスの多かったフェラーリがマイケルの登場とともに、凡ミスの無い常勝チームに生まれ変わり、その結果マイケルはフェラーリで再びチャンピオンのタイトルを手に入れることができたのである。もちろん、だから単純にハミルトンがチャンピオンになれるというわけではない、ただし、その為の準備は怠らずにしているように思えるのだが。
良く言われる言葉に「チーム一丸となって…」というのがある。どうしたらメカニックやエンジニアの全員が自分を見つめ、自分の為に動いてくれるか?実はこれは人ごとではない…F1SCENEの為に、どうしたら余すこと無くメンバーの持てる力を全て発揮してもらえるか?Team ZEROのリーダーとしてメンバーの最大限の協力を得られるようにするには?その答えは…誰にも負けない写真を撮り続けることである。
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さあ、これでF1は「ホーム」のヨーロッパに戻る。そしてここからが本当の意味でチーム力が問われる正念場になる、その次戦スペインGPはアロンソの母国、今の状況をどこまで変えてくるか?元チャンピオンの力の見せ所でもある。


1957年東京浅草生まれ。1987年、ブラジルグランプリでF1を初撮影。マシンの持つ美しさ、人間模様にひかれ、1988年より、F1グランプリなどモータースポーツをメインテーマとして活動を続ける。
2004年、記事主体の既存F1誌に満足できず、
最高の写真を見せたいと、グラフィック誌F1SCENEを創刊。編集拠点をF1の本拠地ヨーロッパに移し、ヨーロッパの文化と日本の感性の融合を合い言葉に「Team ZERO」を率いて「出版の壁」に挑む。〔詳細〕