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ここから本文エリア 育成はお得 ガンバ大阪、億単位で投資回収2008年04月29日 Jリーグの各クラブは高校生年代のユースチームなどを持ち、自前の選手を育てている。一人でも多くの選手をトップチームに送り込めれば、戦力面だけでなく、移籍で選手を獲得するより経営面でのメリットも期待できる。日本代表に数多くの選手を輩出するガ大阪などを見ながら、その「経済効果」を探ってみた。(藤田淳、後藤太輔)
◇ 06年ワールドカップで日本代表主将を務めた宮本(ザルツブルク)から、20歳ながら日本代表にデビューした安田理まで、ガ大阪は他クラブがうらやむユース育成歴の持ち主だ。これまで8人の日本代表を育成。今季も登録選手31人中、ユース出身選手は13人にのぼる。 上野山信行・育成普及部長によると、Jリーグ発足からの15年間で、毎年1億5千万円から2億円を育成部門に投資してきた。年間運営費の4%程度にあたるが、欧州のリーグでは、10%以上を費やすチームも多いという。 Jリーグ発足当初、トップチームの強化を優先し、育成への投資を渋る経営陣を説得するため、上野山部長は10年ビジョンを作成し、「Jリーグが、世界と対等のリーグに成長すれば、移籍金で億単位を回収できる」と訴えた。 稲本(フランクフルト)や鹿島に移籍した新井場など、代表クラスの場合、3億円前後の移籍金がガ大阪に入ったと目されている。加えて彼らが移籍前にチームにもたらした戦力的なプラスアルファは計り知れない。 数字に換算できない効果も大きい。小さい頃から、クラブの考えが浸透しているため、選手教育の手間が省ける。代表選手がユース出身と書かれれば、広告効果もある。相乗効果で優秀な子どもが自然と集まるため、スカウト活動の経費も節減できる。ガ大阪の強化部担当者は他クラブより2人ほど少ない。 ガ大阪の06年の人件費は約16億円。名古屋、横浜マ、磐田などよりも少ない金額だが、自前の選手の活躍により、毎年のように優勝争いに加わっている。 ◇ 浦和は3月30日の新潟戦で、堤がユース出身選手として初のリーグ戦先発。4月26日の京都戦では、ユース所属の17歳、山田直が途中出場し、チームの最年少出場記録を更新した。ただ、裏を返せば、選手育成がこれまで遅れていたということでもある。 Jリーグ発足時、ユースなどの運営は地元の地域クラブと提携していた。「最初から、ユースだけにお金をかけるわけにはいかなかった」と藤口光紀社長は振り返る。 絶大な人気を誇る浦和だが、主力選手には阿部や高原など、大型移籍で集めた選手も目立つ。06年の年間営業収入は約70億円で、ガ大阪の2倍以上、人件費も約25億円とリーグトップだ。 「育成をおろそかにすると、痛い目に遭うことは分かっている。大物選手の獲得とのバランスが大事」と藤口社長は話す。03年から育成部門の強化に手をつけたが、投資が実を結ぶのはこれからだ。 ◇ 育成の重要性が定着する中、選手がユースに所属しながら、通学しやすい環境を整えるクラブも出てきている。 神戸は神戸学院大付高、京都は立命館宇治高と提携し、ユース選手を最大で10人受け入れてもらっている。学費などを補助することで、いい選手を集めやすくなるし、練習に集合するのも楽になる。 また神戸は、兵庫・滝川二高で長く監督を務め、選手育成に定評のある黒田和生氏を昨年から招いたほか、来年1月には、3億円近くをかけた寮が完成する予定だ。県外からも選手確保をもくろむ。
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