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プロ野球・阪神 連敗知らず 新井がサヨナラ本塁打

2008年04月30日

 一塁ベースを回ったところで、189センチの巨体が跳ねた。「ちょっと詰まっていたんで。頼むからいってくれ、と思いながら走っていた」

 同点の9回。阪神の先頭は新井。フォークをたたいた打球は、左中間席すれすれへ飛び込んだ。サヨナラ本塁打の歓喜に包まれる甲子園。ヒーローインタビューで新井は、「なんと言っていいか分からない。これだけの皆さんに応援してもらって、声援に押してもらっている気がします」と汗だくの顔で答えた。

 一進一退の攻防が続いた。1回、自身の適時打で先制したが、3回に追いつかれた。互いに2点以上のリードを奪えない、ジリジリとした展開。そんな停滞感を、改装した甲子園でのチーム第1号となるアーチで振り払った。

 岡田監督は同点にもかかわらず、9回に守護神の藤川を投入した。右翼から左翼への甲子園特有の浜風が、強く吹いている。無失点で抑えて、新井から始まる裏の攻撃に期待をかけた。「最後に誰かが何とかするやろ。本塁打なら右打者。新井しかいない」。そう考えたという指揮官の采配に応える一発でもあった。

 4月を終えて貯金「12」は球団史上初。新記録の立役者となった新井は「昨日負けて、連敗はできないと思ってました」。広島から新加入した男は、誰より勝利に飢えている。甲子園に描かれた放物線には、そんながむしゃらな気持ちが乗り移っているようだった。(野村周平)

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