惜しかった、でも頑張った――。レスリング女子48キロ級に出場した伊調千春を応援しようと、母校の京都府立網野高校(同府京丹後市)では、16日夕から後輩や学校関係者ら約100人が集まり、声援を送った。決勝戦で惜しくも敗れ、やはり銀だったアテネの雪辱こそ果たせなかったが、「オリンピックで2回連続の銀メダルはすごい」と大きな拍手が送られた。
伊調は高校時代、レスリングの指導者に誘われ、青森の実家を離れて強豪校の網野高に「留学」した。当時担任だった吉岡孝博・峰山高校教諭は「網野に来た時は寂しくてグチをこぼしたこともあったが、当時から負けず嫌いな女の子だった。よく世界に羽ばたいてくれた」とねぎらった。
カナダ選手との決勝戦が始まると、網野高の後輩らは視聴覚教室の大型スクリーンで中継映像を見ながら、応援用のスティックバルーンを打ち鳴らした。「守れ」「回せ」と声援が飛んだ。第2ピリオドで敗戦が決まると、会場からは「あっ」とため息が漏れたが、やがて「よくやった」「頑張った」という声がわき起こった。
「準決勝のような逆転を期待したが……。でもすごい、尊敬します」。最前列で応援した網野ちびっこレスリング教室の吉岡海人くん(8)も、伊調の姿に感動した様子だった。
同校の坂根文伸校長(53)は「我々も今度こそ金と願っていただけに残念。でも、2回連続で五輪の決勝に進んだ伊調選手の活躍は、頑張れば夢がかなうという無言の教育になった」とたたえた。