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心も跳ねる一人暮らし 沖口誠(体操)

2008年7月17日

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写真練習通いはママチャリを愛用。休日には愛車ゴルフで秋葉原に繰り出す。「家具や電化製品を買うのが最近の息抜きです」=中田徹撮影写真世界選手権(昨年9月)での跳馬の演技。高い跳躍が売りだ

 「跳馬王子」

 昨年9月の世界選手権を前に、スポーツ紙にこんな見出しが躍った。本人はちょっと不満げだ。「自分としては、本当はゆかの方が自信があるんですけど」

 脚力があり、空中感覚に優れている。だから、ゆかと跳馬に強い。跳馬では日本の五輪代表6人の中で唯一、高難度の「伸身カサマツとび2回ひねり(ロペス)」を跳ぶ。北京で団体連覇を狙う日本を、この2種目の「スペシャリスト」として引っ張る。

 見出しが躍った昨年の今ごろは、代表合宿中に顔がこわばっていた。「偉大すぎる人ばかり。空気も重い」。アテネ五輪金メダリストの冨田洋之や鹿島丈博に囲まれ、緊張の連続だった。

 それから1年。日体大の後輩、内村航平(19)ら現役大学生2人も五輪代表に入ってきた。いつまでもびびってはいられない。「もう慣れた。適応力はある方なんです」。練習中、冨田らに冗談を飛ばす余裕も出てきた。

 社会人1年目。代表合宿がないときは、コナミ草加体育館(埼玉県草加市)で練習している。すぐ近くのアパートからママチャリで通う。

 大学では寮生活だったから一人暮らしは初めて。夕食は街の食堂でとる。「めっちゃうまいし、メニューも日替わりなので毎日でも大丈夫」。ひじきやホウレン草は欠かさず食べて、栄養に気を使う。大阪に住む母比登美(ひとみ)さんからはビタミン剤が送られてくる。バックアップは万全だ。

 家具もだいぶそろった。お気に入りは40インチもある大画面のテレビ。初任給で、両親にも同じメーカーのテレビをプレゼントした。ただしこちらは少し小さめの32インチ。「ちゃっかりしている? いやいや、親が小さいのがいいって言ったから」

 北京の五輪本番会場で行われた昨年末のプレ大会では、ゆかで優勝した。「よく跳ねるのでやりやすかった」。五輪ではまずは団体連覇に貢献するのが目標。その後に行われる種目別ゆかで、もう一度日の丸を拝めたら最高だ。(平井隆介)

おきぐち・まこと 85年11月、大阪市生まれ。小学3年で体操を始める。03年全日本選手権の跳馬で、日本人で初めて「ロペス」を成功させた。昨年世界選手権(ドイツ)出場。北京五輪の国内選考会では跳馬とゆかでポイントを稼ぎ、代表入り。コナミ所属。161センチ、57キロ。

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