世界選手権が中国・上海で開幕した。初出場だった2年前は、直前に当時の世界最速記録を出したが、高速水着を巡る騒動で世界新と認められず、大会も200メートルは2位に終わった。
「日本水泳連盟は日本新として公認していたので、日本記録の方が世界記録より速い状態になっていた。それを正常な状態に戻せるのは自分しかいない。そういうプレッシャーがありました。注目も集まっていたし、金メダルを取らないといけないって、自分で追い込んでいたんです」
今回は「追い風」が吹いた。
「(北島)康介さんが日本代表に戻ってきてくれた。絶対的な『キング』がいてくれるから、僕の精神的な負担はかなり軽くなりました。康介さんは、そこにいるだけで周りの気持ちを引き締めてくれる。世界一の選手がいてくれるから、心強いんです」
上海での目標は、得意の200メートルで優勝し、強化中の100メートルでもメダルを獲得することだ。
「勝てばその種目のロンドン五輪代表に内定できるけど、そんなことは考えない。目の前のレースで、最高のパフォーマンスをすること。その気持ちだけでがんばってきます」(競泳男子背泳ぎ日本代表・入江陵介)
1990年1月24日、大阪市天王寺区出身。近大4年、イトマンSS所属。日本選手権で200メートル背泳ぎを4連覇中。昨年8月のパンパシフィック選手権同種目は3位。