2012年2月23日
教育評論家・尾木直樹さんの読売新聞(一部地域発行)のインタビュー記事の提言を受けて、橋下徹大阪市長が目標の学力レベルに達しない小・中学生を留年させることを検討するよう市教委に求めたことをめぐり、尾木さんは22日、朝日新聞の取材に「一律の線引きで子どもを下の学年に落とす運用には反対」と懸念を示した。
尾木さんは、自らの提言について「一人ひとりの子どもの個性に見合った教育を重視する観点から、本人や保護者が希望した場合には柔軟に留年も認めてよいという趣旨」と強調。まずは個人別の時間割り導入や少人数授業などの取り組みを先行させることが前提で、そのうえで留年するかどうかを各家庭で選べる仕組みにすべきだとした。「一定の学力に達しない子どもを機械的に留年させる考えなら私とは真逆。安易な運用は競争主義を生むし、子どもの学習意欲をそぐ」と注文をつけた。
22日、市長は教育委員と意見交換会を開き、委員からも「子どもに劣等感を生む」などの懸念の声が出た。これに対し市長は「学力到達度の低い子は、進級しても授業が理解できない」「わからない授業を延々受けさせると(子どもは)ぐれますよ」と述べ、元の学年にとどめ置く方法ではなく、不得意な教科に限って下の学年で学ぶ「科目別留年」や、学力の到達度が低い子どもを集めて数週間、下の学年で教わった内容を集中的に復習させる特別学校を設置することもできると話した。(阪本輝昭)