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にゃるほどジャーナル

「セックスレス」の理由は?

[新聞掲載]2008年07月05日

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 最近、ヒトの若者が性に積極的でなくなっていると聞く。いわゆるセックスレスである。

 ヒトは子孫を残すためだけではなく、快楽や愛情確認のためにもセックスをするが、動物のそれは子孫を残すためだ。ヒトと動物では、その辺りの事情が違うから、セックスレスは人間に特有の問題と思っていたら、どうもそうではないらしい。

 高層マンションで暮らすチンチラ猫のメス、ミーちゃんは、飼い主を見てはウネウネしているのだという。「これって、なんですのん。いつものミーと違う」と飼い主の女性に尋ねられた。

 「発情です。どうにかして〜といってんのですわ」「そう言われても、私はミーの要求をかなえてやるわけには……」と困っておられる。

 「そんなら、ミーちゃんに彼氏を見つけてあげることですなぁ」と提案したら、飼い主は、お眼鏡にかなう猫を懸命に探した。「これから、ミーはお見合いに行きます」という報告もあり、ミーちゃん2世が見られるかな、と期待していた。

 ところがミーちゃんは、お見合い相手のオス猫を見た途端、発情をピタリとやめた。「あんただれ? そばによらんといて」という感じで、フーフーと激しく怒り、威嚇したそうだ。

 よく考えれば仕方のないことかもしれない。ミーちゃんは、親元を離れてからマンション暮らしの毎日で、猫というものを見たことがない。自分を猫だと思っていなかったのだ。

 動物界にもセックスレスがあるようだ。こうなると、ミーちゃんにとって発情相手は飼い主しか考えられないのだろうが、それは無理。こんな悲恋(?)を防ぐには、幼い時から、猫は猫、犬は犬に慣れさせることだ。

(獣医師・石井万寿美)

プロフィール

石井万寿美(いしい・ますみ)

 61年大阪市生まれの獣医師。
 92年から大阪府守口市で動物病院「まねき猫ホスピタル」を開いている。〔詳細〕

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