ちりめん山椒
〈夏〉青山椒
今年は山椒(さんしょう)のあたり年なのでしょうか。わが家の若い山椒の木からも、両手に二つ分ほどの青山椒が採れました。
狭い庭に多いときは5本の山椒の木がありましたが、庭に来る野鳥が運んでくれたものばかりでした。どこの山から来たのだろうかとか、どちらのお家で啄(ついば)んできたものだろうかと詮索(せんさく)するのも楽しいことでした。
そのうちの1本が急に枝を伸ばし、今年の青山椒の成果となりました。鋭い棘(とげ)に引っかかれながら、悪戦苦闘しましたけれど。
すぐに使う予定がないので、さっと熱湯を通して冷凍しました。真っ青な翡翠(ひすい)の粒のような山椒の実が、冷凍庫の中にあると思っただけで、なんとなく豊かな気持ちになれるものなのですね。
細川加賀は若いころ、病苦と生活苦を経験しました。そこから得た「俳句は愛」という信念を生涯貫き、ほのぼのと息の通った作品を残しました。妻や子と囲む円い食卓は、家族の愛の絆(きずな)の形でもあったのでしょう。季語の青山椒が清冽(せいれつ)な印象を付加しています。
思いがけなくきれいなちりめんじゃこが手に入ったので、これからちりめん山椒を炊こうと思います。(俳人・大石悦子)
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〈ちりめん山椒〉
山椒の実は出盛りに一盛り、沸騰した湯でさっと煮て、冷水で冷まし、水気を切って冷凍保存しておく。
シラス干し200グラムを水に10分ほど浸し、塩出しをしてザルに上げ、水気を切る。鍋に油を熱し、シラス干しを入れ、焦がさないよう炒(いた)める。水カップ1、しょうゆカップ2分の1、砂糖、みりん各大さじ3を加え、煮立ってきたら山椒大さじ3を入れ、中火で煮汁をかけながらカラカラになるまで炒(い)り上げる。(料理監修・水野保子)