トップスターが笑顔で立てば、OSKワールド=大阪府高石市のたかいし市民文化会館アプラホール
ピンクの着物に緑の袴(はかま)が正装。7月の京都・南座公演の成功祈願の一コマ=京都府宇治市の宇治市源氏物語ミュージアム
関西遺産に、OSKをとりあげる。そう聞かされ、いぶかしがるむきも、おられようか。えっ、OSKって、まだやってるの。もう、なくなったんじゃあなかったっけ、と。
たしかに、笠置シヅ子や京マチ子が輩出したOSKは、もうない。生みの親である松竹は、ずいぶん前にこの少女歌劇を、てばなしている。その後、しばらくのあいだは、近鉄が松竹にかわって、ささえてきた。奈良のあやめ池遊園地にあった円形大劇場を、OSKは本拠とするようになっている。だが、その近鉄も、2003年に支援をうちきった。同年5月には、近鉄劇場でファイナルレビューも、もよおされている。
にもかかわらず、劇団の有志は、その存続をあきらめなかった。なんとか、OSKの灯をともし続けたい。そう強くねがい、ほそぼそとではあるが、たもちつづけてきた。07年には民事再生法の適用も申請したが、あらたな経営母体をえて、もちこたえている。
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いろいろな意味で、小つぶにはなってきた。全盛期のダンスショーは、もうのぞめないだろう。これで、トップスターの桜花昇ぼるがしりぞいたら、どうなってしまうんだろうという不安も、ないわけではない。あいかわらず、存続の危機にはあると思う。
聞くところによると、数名の劇団員による小規模なもよおしも、よくあるのだという。見本市や百貨店のキャンペーンに、花をそえる。そういった注文にも、こたえているらしい。小あきないもこなして、なんとか一座を維持しているということか。まあ、今でも京都・南座での公演という大あきないが、ないわけではないが。
いつまで、つづくんだろう。ひょっとしたら、明日にでも、うちきりが発表されるのではないか。そんな想(おも)いをいだきながら、ステージをながめたせいだろう。舞台からは、えも言われぬ切迫感がただよってくる。デカダンスゆえの感傷か、あるいは末法ゆえの浄土幻想か。まあ、牧名ことりさんかわいいなという、素朴なおっさんの目線も、私にないわけではないが。
宝塚歌劇団に、しかしこういうセンチメンタリズムは、いだけない。あちらは、阪急電鉄がしっかりささえている。存続があやぶまれたりはしない。くらべれば、明日をも知れぬこちらに、身びいきをしてしまう。衰亡愛好症とでも呼ぶべき病が、私にあるせいか。
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少女歌劇団自体は、関西で成立し、かつては日本中にあった。しかし、今は発祥の地である関西にしかのこっていない。日本的だといわれる少女レビューだが、あんがい関西的だったのだろうか。
(文・井上章一〈国際日本文化センター勤務〉 写真・伊ケ崎忍)
○生き残りに一喜一憂
「宝塚は育成ゲーム」と、名言をはいた友人がいる。若き乙女が舞台で成長していく姿に一喜一憂するのが生きがいという。ならばOSKはサバイバルゲームだろうか。いくたびもの苦境を乗り越えた乙女たちのパワーとけなげさに、ファンは胸をときめかせる。
現在の正式名称はOSK日本歌劇団、OSKは大阪松竹歌劇団の頭文字。ルーツは1922(大正11)年創設の松竹楽劇部までさかのぼる。71年に近鉄が親会社となったが、経営難から支援が打ち切られ、03年での解散が決まった。
だが、なにわの乙女はタフだった。劇団員自ら存続運動に立ち上がり、市民歌劇団として再出発。07年の民事再生法適用の危機も乗り越え、よみがえった。
次の公演は7月11〜21日、京都・南座での「源氏千年夢絵巻 輪舞曲(ロンド)」。トップスター桜花昇ぼるを中心に、光源氏の次男・薫と浮舟の恋を描く。後半にはレビューも。問い合わせはチケットホン松竹(0570・000・489)へ。(佐藤千晴)
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