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【サンガリア】だっさ〜ンガリア?おもろがりア!

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写真個性的なパッケージが目を引くサンガリアの飲料イラスト   写真嘉門達夫さん

 銭湯向けの瓶入り飲料を作っていた大阪市東住吉区の小さなメーカーが、サンガリアのブランドを立ち上げたのは、缶コーヒー製造に乗り出した1971(昭和46)年のこと。

 その名は「国破れて山河在り」から。どんな時代にも生き残る会社に、と願いを込め、その後、社名も日本サンガリアベバレッジカンパニーと改めた。

 ここを語るにはまずCMだ。第1弾は75年。

♪1、2、サンガリア。

 2、2、サンガリア。

 サンガリア、サンガリア。

 デュアー。

 ありがとサンガリア♪

 珍妙な歌をバックに、しましまのステテコ風水着の外国人男性が踊る。踊る。踊りまくる。しかもチャールズ・ブロンソンみたいなヒゲ面で。お茶の間へのインパクトは十分すぎた。

   ◇

 歌の生まれた経緯は今では、同社でもよくわからないらしい。ただ、「少ない放送回数でも、確実に印象に残る」と同社の横井勝美・研究所長が話すように、以来、CMにこの歌は欠かせないものとなった。その後、登場したのも、稲川淳二や志茂田景樹、パイレーツら渋いセレクトの有名人。社内の資料には、「バカらしいことを一生懸命やるところがサンガリアCMの良さ」なんて記述もある。

 とはいえ個性的なのはCMにとどまらない。同社は約300品目もの飲料を展開中。1年に出す新製品は約80〜100品目と週2本近く生み出してる計算だ。「営業担当が『売れまっせ』と言ったらすぐに商品化するんです。まあ、ポッと出て消えるもんもありますが」

 でもその機動力が同社の強み。10年ほど前の杜仲茶(とちゅうちゃ)ブームでは、取引先のスーパーに「ウチは2週間で杜仲茶を商品化します」と大見えを切ったことも。慌てて大量の茶葉を買い、1週間で配合を考え、容器デザインは1日で考えて、ホントに2週間で商品化してしまった。

 テレビ番組の企画から生まれた缶入り「みっくちゅじゅーちゅ」も、事前に局から製造を打診された時には、製造の難しさから断ったが、番組でタレントに「こんなん作るんはサンガリアや」という趣旨の発言をされ、退路を断たれて開発。結果は大ヒット商品に。冷凍に対応できるペットボトルなど、実は業界初の試みも多い。

   ◇

 今では年間約200億円を売り上げる会社に成長したが、見ていて恥ずかしくなるCMのノリはもはや伝統の域。同社はHPで過去の栄光の作品を動画で公開中だ。そのサービス精神が、相も変わらず大阪の会社やね。ありがとサンガリア。(神田剛)

■推薦

シンガーソングライター 嘉門達夫さん

ライブでCM ウケた

 15年ほど前に銭湯にあるようなマイナーな清涼飲料水を集めてました。既にサンガリアは大きな会社になってたけど、「ひやしあめ」なんかも出していて、零細だった時代のにおいが残っているんが、ええ感じでしたね。東京で、サンガリアの缶コーヒーを見かけると、「おぅ。大阪から出て来て頑張っとるがな」と、幼なじみに出会ったような感じがするんです。イチビリなとこにも共通点を感じるなぁ。

 デビューしたての頃、ライブハウスで関西のCMソングばっかりメドレーでうとてたんです。「1、2、サンガリア」も歌って、最後はパルナスの歌で締める。これがウケた。懐かしさと共になんかオモロイ。みんなで共有できる関西の文化なんやね。70年代の大阪で、CMに変な歌が多かったんも、高度成長で豊かさを手にして、みんな一息ついた時代やったからでしょかねぇ。「いなたい」(味のある田舎っぽさ)というか妙なダサさが気になるサンガリアのCMソングも、2番、3番まであったらオモロイんちゃうかと思いますよ。

 <略歴> 1959年、大阪府茨木市生まれ。初の私小説「た・か・く・ら」がドラマ化される予定。

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